研究課題/領域番号 |
22K15565
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
酒井 瞳 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (20714736)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 乳癌 / 脳転移 / 髄膜播種 |
研究実績の概要 |
背景:乳癌脳転移・髄膜播種症例に有効な薬物療法は限定的であり、予後不良である。乳癌原発巣と脳転移巣のbiologyの違いを示唆する研究結果も過去に得られているが、手術をして転移巣にアプローチしなければ、そのbiologyを評価することはこれまでできなかった。脳転移巣のbiologyを測定することができれば、適切な薬物療法の選択につながる可能性がある。近年、髄液ctDNAが血漿のctDNAよりも脳転移巣のbiologyをよりよく表すことを示唆するデータがある。そのひとつとして、髄液ctDNAによりHER2 statusを評価することができれば、HER2 チロシンキナーゼ阻害薬や抗HER2抗原薬物複合体の治療適応を判断する材料になり、有効性が期待される。目的:HER2陰性転移性乳癌、脳転移・髄膜播種症例の髄液を収集し、ctDNAを抽出してHER2コピー数を解析し、原発数とのbiologyの違いを評価する。方法:HER2陰性転移性乳癌、脳転移・髄膜播種症例の髄液を収集し、ctDNAを抽出してHER2コピー数を解析する。脳転移手術例については、転移巣のHER2蛋白発現、HER2 FISH、HER2 mutation等についても解析する。進捗:測定企業とアッセイについて交渉中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床試験の倫理委員会申請と試験開始が遅れているため
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今後の研究の推進方策 |
HER2陰性転移性乳癌、脳転移・髄膜播種症例の髄液を収集し、ctDNAを抽出して解析する臨床研究実施のためのプロトコールを作成した。しかし、現行のプロトコール案では、期間内に現実的に症例集積が困難であると考えられた。髄液のリキッドバイオプシーにより脳転移巣のbiologyを評価するという目的達成のため、研究の対象と測定方法を見直している。
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次年度使用額が生じた理由 |
測定機関との交渉等により、研究の進捗が遅れていることによる持ち越しである。使途については、研究遂行に必要な消耗品費、データマネージメント費、検体輸送費、論文投稿費等にあてる計画である。
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