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2023 年度 実施状況報告書

複合免疫治療の効果および免疫関連有害事象に関わる末梢血バイオマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K15577
研究機関金沢大学

研究代表者

丹保 裕一  金沢大学, 附属病院, 助教 (00793845)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード肺癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 免疫関連有害事象 / 末梢血バイオマーカー
研究実績の概要

進行期非小細胞肺癌または進展型小細胞肺癌を対象とした臨床試験において、約40%の症例において免疫関連有害事象(immune related adverse event; irAE)が生じると報告されている。また、約15~20%の症例において、重症irAEを発症する。
irAEの発症と、ICI治療開始後の生存期間延長が関連していると複数報告されている一方、我々は、治療中止に至るような重症irAEやICIによる薬剤性肺障害が、ICI治療開始後の生存期間不良と関連していると報告した(Tambo et al. Clinical Lung Cancer 2019)。
現時点において、①重症irAEと軽症irAEで予後が異なる機序は明らかになっていない。②ICIの抗腫瘍効果の機序は明らかになっていない。③臨床において、重症irAEや抗腫瘍効果を予測するためのバイオマーカーが開発されていないことが課題となっている。そこで、本研究において、ICI投与症例における免疫状態の変化をモニタリングすることで、重症irAEの発症予測や、irAEの重症度をモニタリングするバイオマーカーの開発を目指している。また、これらのバイオマーカーを明らかにすることで、irAEの発症機序、ICIの抗腫瘍効果の機序を解明にもつながると考えている。
2023年度中に、臨床試験として、免疫チェックポイント阻害薬が投与される進行期非小細胞肺癌症例を対象に、血液検体の採取を開始した。現在症例および血液検体の収集を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

臨床試験として、免疫チェックポイント阻害薬が投与される進行期非小細胞肺癌症例を対象に、血液検体の採取を開始した。現在症例および血液検体の収集を進めている。

今後の研究の推進方策

(a) irAEの発症を予測、モニタリングするバイオマーカーの探索:症例を重症irAE発症群、軽症irAE発現群、irAE非発症群に分けて、治療前、治療中の各解析項目に差が認められるかを解析する。これにより、irAEの発症予測やモニタリングに有用なバイオマーカーの種類とそのカットオフ値を探索する。
(b) ICIの抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーの探索:奏効例と非奏効例との間で、治療前、治療中の各解析項目に差が認められるかを解析する。これにより、抗腫瘍効果の予測に有用なバイオマーカーの種類とそのカットオフ値を探索する。
(c) irAE発症例におけるさらなる解析:肺、皮膚、腸管などのirAEを発症した臓器から検体が得られた場合に、免疫染色を用いて、本研究で得られたバイオマーカーが、irAEを発症した臓器局所において作用しているかを確認する。

次年度使用額が生じた理由

集積された臨床検体がまだ少なく、フローサイトメトリー用の抗体の使用数が少なかったため。
フローサイトメトリー用の抗体を予定より安価に取得することができたため。
2024年度中に、臨床検体がさらに集まる見込みのため、フローサイトメトリー用の抗体の購入に充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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