研究課題/領域番号 |
22K15583
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
廣瀬 貴章 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師 (50608982)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肺癌 / 放射線治療 / 放射線肺臓炎 / 画像特徴量 / Radiomics |
研究実績の概要 |
本研究の目的はⅢ期非小細胞肺癌における肺領域の画像特徴量を抽出し,機械学習を用いて解析することにより,放射線肺臓炎と有意な相関を持つ画像特徴量を解明することである.さらに,空間的画像特徴量解析により,放射線肺臓炎が発症しやすい高リスク肺領域を特定することで,放射線肺臓炎を低減する線量分布の作成を可能にする精密放射線治療計画の立案を支援する.これまでに,早期肺がんの定位放射線治療後の放射線肺臓炎に相関する画像特徴量を特定するためにGrade 2以上の放射線肺臓炎を発症した症例とGrade 1以下の症例に分けて,画像特徴量の解析を行なった.相関を持つ画像特徴量を機械学習により順位付けを行なった.選択された画像特徴量を用いて,トレーニング群で構築したモデルをテスト群で検証を行い,モデルのパフォーマンスを評価した.このモデルに用いられた画像特徴量は肺領域のCT画像から得られたものであり,CT値の不均一性などを表した特徴量であった.また,肺領域のパッチ画像を入力信号とした深層学習を用いた放射線肺臓炎予測モデルについても検討を行った.パッチ画像のサイズや画像を抽出する領域について検討した.その結果,Grade 2以上の放射線肺臓炎を分類する転移学習モデルを構築した.これらの結果については国際学会にて発表を行なった.今後は,III期肺癌症例への適用を行い,症例収集から最適な解析手法に関する検討を行い,放射線肺臓炎に有意な画像特徴量を解明する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データを解析するにあたり非常に多くの症例を収集する必要があるため,時間を要している.また,データ解析手法についても検討が必要であり,やや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
症例数の不足に関しては,少ないデータで学習を行うためのオーバーサンプリングによる手法を検討している.これらについては機械学習や深層学習を行う研究で多く用いられており,本研究についても解決策となりうると考える.
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次年度使用額が生じた理由 |
症例収集に時間を要しており,データ解析に必要なワークステーション等の物品購入を見送ったため,次年度使用額が生じた.また,旅費についても,国際発表を行なったが,コロナ感染症の影響でウェブ参加となり次年度使用額が生じた.そのため,次年度の物品購入に使用する予定である.
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