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2023 年度 実施状況報告書

Ewing肉腫に対するHLA-A24拘束性ネオアンチゲン特異的免疫細胞療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K15612
研究機関順天堂大学

研究代表者

石井 翠  順天堂大学, 医学部, 助教 (50637866)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードiPSC / CTL / Ewing肉腫
研究実績の概要

今年度は、他の健常人ドナーから同じように誘導可能かを検討するため、作製した6種類のうち2種類のペプチドを用いて細胞傷害性T細胞(CTL)誘導を行った。その結果、わずかに誘導されていたが、クローンを樹立するに至らなかった。より大きなスケールで再度誘導することを計画している。
HLA-A24のTCRをクローニングするために必要なコンストラクトを設計し、サブクローニングする準備を行った。TCRのα鎖、β鎖の可変領域は変動するが、それぞれの定常領域は変わらないため、遺伝子合成後にPCRを行って増幅した。さらに、TCRを発現させたことが目視で確認できるよう、2Aシーケンスを入れて3’側にmCherryを設計した。α鎖とβ鎖の可変領域についても遺伝子合成後にPCRを行って増幅した。これらのTCR構成遺伝子を適切な順番に繋ぎ、プロモーター、TCR遺伝子、2Aシーケンス、mCherryという順番でサブクローニングを行った。
TCR遺伝子発現プラスミドを作製後、末梢血T細胞に発現させる場合には内在性TCRとのミスペアリングが問題になるため、α鎖、β鎖の定常領域をノックアウト可能なgRNAを準備した。CRISPR/Cas9を使ったTCRのノックアウトは実際にこれまでに得られたT-iPS細胞を用いて行った。α鎖のTCRのみ、β鎖のTCRのみ、α鎖とβ鎖の両方をノックアウトしたT-iPSを作製した。TCRの定常領域が問題なくノックアウトできているかどうか、ジェノタイピングPCRを行って確かめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CTLクローンの樹立には至らなかったが、健常人ドナーから細胞傷害性T細胞を誘導することについては複数のドナーから誘導可能であることが分かった。また、クローンを樹立しなかった分、TCRを遺伝子発現させるプラスミドのクローニングをすすめ、TCR遺伝子配列が判明後にスムースにクローニングできるようにした。また、TCR定常領域をノックアウト可能なgRNAを入手し、末梢血T細胞での実験へ向けて準備した。

今後の研究の推進方策

今後は再度、絞り込んだ2種類の改変エピトープを用いて健常人ドナーよりCTL誘導を行う。さらにsingle cell cloningを行いCTLクローンの樹立を目指す。HLA-A24拘束性EWS/FLI1 特異的CTLクローンが得られた後、CTLクローンの細胞傷害性試験を行い、高い細胞傷害性を持つTCRを持っているCTLクローンを選択、センダイウィルスベクターを用いてT-iPS細胞を樹立する。一方で、TCR遺伝子の全長配列を同定し、TCR発現ベクターを作成する。再分化誘導を行って得られたHLA-A24拘束性EWS/FLI1 特異的rejTとTCR-T細胞を作製し、それぞれ細胞傷害性試験を行う。in vivoでの抗腫瘍効果を無治療群や末梢血由来CTL 投与群と比較し、生存期間延長効果を試験する。
健常人ドナーからのCTLクローンの樹立が最も肝心である。場合によっては複数のドナーから誘導を試みより強いCTLクローンを得ることも考慮しながら実験を進めていきたいと考えている。

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公開日: 2024-12-25  

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