研究課題/領域番号 |
22K15614
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
小山 隆文 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (30828538)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | MDM2増幅 / 野生型TP53 / HPD / PDX |
研究実績の概要 |
国立がん研究センター・がんゲノム情報管理センターに2019年7月から2023年2月までに登録された45241例にのうち、MDM2増幅を示したものは1829例(4.0%)であり、そのうち野生型TP53であったものは1504例(3.3%)であった。MDM2増幅・野生型TP53を示したがん種のうち比較的頻度が高かったものとしては、肉腫363/2098例(17.4%)、尿路上皮がん69/724例(9.5%)、悪性黒色種34/313(10.9%)、胆道がん174/3974(4.4%)であった。2019年8月から2022年11月までの期間で国立がん研究センター中央病院においてがん遺伝子パネル検査を実施した症例は1440例であり、そのうちMDM2増幅・野生型TP53であったものは50例(3.4%)であった。肉腫22/151例(14.6%)、唾液腺がん3/23例(13%)胃がん2/21(9.5%)、悪性黒色種3/38(7.9%)、胆道がん5/92(5.4%)といったがん種では比較的頻度が高かった。日本全体での頻度と当院での頻度がは類似しており、当院でのデータが日本全体を代表できる可能性が示唆された。50例のう ち、30例で組織標本が院内に保存されていることを確認し、病理へ免疫染色やRNA-seqを実施するために組織の切り出し依頼を行っている。50例のうち13例が免疫チェックポイント阻害剤による治療をうけていたが、そのうち1例(7.7%)でHyper-progressive disease(HPD)を考える症例があった。我々のセンターにMDM2増幅・野生型TP53を有するPDXモデルが肺非小細胞がん、乳がん、胃がん、胆道がん、脳腫瘍などであるが、これらに加え、肺非小細胞肺がん、胆道がんな どで追加のPDXモデル、オルガノイドを作成している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行する内膜肉腫での研究でえられた新規のバイオマーカー、耐性機序を米国腫瘍学会2023年で発表予定した。この研究成果を本研究に寄与できる可能性が高い。2023年度で保存検体の解析(免疫、タンパク発現など))を実施する予定であったが、検体の同定、また院内での調整に時間を要した。耐性機序の可能性のある遺伝子異常を見いだしたが、PDXモデルを利用した研究を計画したが、予算が足りず断念した。研究の方向転換を行う必要があり、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
公開データを利用し、スモールサイズのディープな解析を実施予定である。院内に組織が確認されている、TP53野生型でMDM2増幅例と非増幅例の各10例で、リンパ球浸潤などを評価する目的で多重染色などを、またRNA発現をみ るためにRNA-seqなどを予定している。これにより2つのグループを比較検討する。新規のバイオマーカー、耐性機序を同定を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は実験を実施できなかったが、2024年度は実験を開始しており、データの解析費用、実験用の消耗品を購入予定である。
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