• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

広域機能イメージングと投影光遺伝学による大域的神経活動の因果的分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K15620
研究機関名古屋大学

研究代表者

竹内 遼介  名古屋大学, 創薬科学研究科, 助教 (50825924)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード光遺伝学 / ウイルスベクター / 光学 / 神経科学
研究実績の概要

今年度は光感受性チャネルタンパクの発現最適化,カルシウムイメージングデータの信号処理法の最適化,電気生理学的手法による活動操作の validation のための準備,行動評価系の最適化などを行った.
まず,大脳皮質の光遺伝学にしようするチャネルタンパクの発現を誘導するためのウイルスベクター条件について最適化を行った.複数種類のAAV-PHP.eBベクターをカクテルすることで,単一野生型マウス個体の大脳皮質においてGCaMPとChRmine を広く発現させることに成功した.また,ノイズを多分に含む広域カルシウムイメージングデータから,神経活動に関連性が低い成分を除くアルゴリズムを実装し,アーティファクトを除去することに成功している.大脳皮質の広範囲を高解像度で観察可能にする観察窓の手術法についても確立し,二光子顕微鏡による細胞レベルでの観察が可能なこと,上記信号処理法により血管由来アーティファクトを軽減できることも確認した.投影光遺伝学法では,投影光により実際に神経活動が誘発されたかどうかをカルシウムイメージング法だけでなく,細胞外電位記録法による validation を計画している.今年度はシリコンプローブを用いて覚醒下,ヴァーチャルリアリティ内で行動中のマウスから高精度で活動電位および Local Field Potential を記録できる手法の確立に成功しており,今後投影光との組み合わせて投影光遺伝学法の評価を行う予定である.また,蛍光観察・電気生理学的手法による神経活動記録,光刺激,行動観察をすべて同時に行うシステムとして次年度の学会報告および学術誌への発表を目指す.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

光学部品等の都合上,顕微鏡の設備更新に時間を要している.当初使用予定にしていたDigital mirror device およびレーザーモジュールが長期に亘り欠品状態のため,別途使用可能な部品を選定中である.また,光感受性チャネルを広域発現させた生体の行動変容および致死が見受けられたため,その最適化にも時間を要した.
細胞外電位記録法による記録,解析および評価法確立やカルシウムイメージング法の解析法開発に関しては当初の予定通り進行しており,研究遂行において深刻な遅れには至っていないと判断している.

今後の研究の推進方策

2023年度早期に代替の光学部品を入手し,観察装置,光刺激装置およびその制御系を完成させ,実証実験にすすみたい.レーザープロジェクタの入手が困難であった場合は一旦ガルバノミラーデバイス等による光刺激法を導入し,同一固体,多波長での光刺激・蛍光観察が可能であるかをまず検証する.同時に,電気生理学的記録とそれらが組み合わせられるよう,視覚刺激ディスプレイ等との同期制御システムなどを最適化し,最終的には光刺激・蛍光観察・電気生理学的記録がすべて同時に行える実験系を構築する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Modeling the marmoset brain using embryonic stem cell-derived cerebral assembloids2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoki Kodera, Ryosuke F. Takeuchi, Sara Takahashi, Keiichiro Suzuki, Hidetoshi Kassai, Atsu Aiba, Seiji Shiozawa, Hideyuki Okano, Fumitaka Osakada
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 657 ページ: 119-127

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2023.03.019

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi