| 研究課題/領域番号 |
22K15624
|
|---|
| 研究機関 | 藤田医科大学 |
|---|
研究代表者 |
當山 峰道 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70528190)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
| キーワード | 脳卒中片麻痺 / 病的シナジー / 安静時機能的磁気共鳴撮像 |
|---|
| 研究実績の概要 |
中枢神経損傷後の神経再編は、機能回復の神経基盤になり得る。一方で、残存神経回路の活動亢進により、脳卒中片麻痺後の病的シナジーが生じて機能回復を遅延させると言われているが、その詳細は明らかでない。そこで、本研究では、脳卒中後の異常な上肢協調運動を担う神経機構を明らかにするために、ロボティクスデバイスによる上肢到達運動の動作解析と表面筋電解析、および安静時機能的磁気共鳴撮像の神経ネットワーク解析を駆使して、「脳卒中後の上肢シナジーにおける皮質－皮質および皮質－皮質下の機能的神経結合の役割」を明らかにすることを目的として、研究を開始した。
行動実験では、脳卒中患者がロボティクスデバイスを用いて２次元平面内で上肢到達運動を行う際に、手指先端マーカーの座標計測とそれに同期した表面筋電計測が可能となった。今後、データ収集及び運動課題の最適化を進めることで、上肢シナジーの運動生理学的特徴を定量化する解析手法の開発に着手することができると考える。一方、イメージング実験では、安静時機能的磁気共鳴撮像画像の撮像方法を確立することができ、加えて精度の高い前処理方法を適用することができたため、行動実験データとイメージングデータの集積及びそれぞれの解析が進めば、両者を統合したグループ解析が可能になると考える。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス再燃により、研究計画遂行に一部制限が生じたため。
|
| 今後の研究の推進方策 |
脳卒中患者の行動実験データとイメージングデータの収集を進めながら、行動実験における運動課題の最適化、および上肢シナジーの運動生理学的特徴を定量化する解析手法の開発に着手する。また、前処理が施された安静時機能的磁気共鳴撮像画像のノイズ処理が不十分なため、有効なノイズ処理手法の導入を行い、行動実験データとイメージングデータを統合したグループ解析を実現させる。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況、及び新型コロナウイルス感染症の遷延を考慮して、海外出張を取り止めたために次年度使用額が生じた。
使用計画として、データ集積状況に応じて保存用ハードディスク及びデータ収集用パソコンの購入を行い、筋電計測に必要な消耗品や画像編集のための年間ソフトウエアライセンス購入を行う予定である。また、成果報告および最新の情報収集のために北米神経科学学会での参加発表を行う予定である。
|
