ToMMo67Kを用いたGWASにて、対象形質に関する候補SNPは検出された。 候補SNPはK代謝に関わるタンパク質をコードしていた。K代謝は、腎機能に大きく影響を受け、また、大きく影響を与えるため、腎不全指標になりうる蛋白尿に関しても、重要な関連があると思われる。 候補SNPは、全体のGWASでも、腎機能が正常群のみのGWASでも、ピークが現れたため、腎機能に関係なく尿中アルブミン排泄に関わっている可能性が示唆された。候補SNPの基礎的検討については、まだなされていないが、ノックアウトマウスなどを使っての実験なども考え、今後多角的な方面から、その意義について検討する必要がある。最終的には、腎不全に効果がある新規創薬につながる可能性もあり、候補SNPの同定は、大きな意義があった。 これらの成果は、The 29th Scientific Meeting of the International Society of Hypertension (ISH2022 Kyoto)にて発表した。非正規分布を示す形質を応答変数としたGWAS解析であったため、統計学的処理に関する指摘を受けたが、多くの研究者に興味を持ってもらえた。 ToMMo10KとのMeta-GWASを行い、要約統計量を元にpolygenic risk scoreを計算し、重複のないデータでリスク予測を行うところまでは、遂行できなかったため、今後の課題としたい。
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