研究実績の概要 |
本研究では、青黛の作用メカニズムに迫ることを目的とし、①ヒト大腸粘膜における青黛がサイトカイン産生におよぼす影響、②青黛が腸内細菌叢におよぼす影響、③腸管における青黛のAhRを介したNfr2の活性化作用の有無、④AhRの発現が青黛の臨床効果におよぼす影響を明らかにすることを目的としている。 ①について、青黛がサイトカイン産生におよぼす影響を明らかとするため、青黛内服前後での消化管粘膜組織標本を用いて網羅的なデジタルカウント遺伝子発現解析を行った。同様の解析を抗TNFα抗体製剤投与前後の消化管粘膜組織標本で行い、発現の変化について比較を行なった。青黛内服前後では有意な遺伝子変動として遺伝子9種(CYC1,MAPK3,AP1S1,CAPN1,TXN,PRDX2,GSTP1,NFKBIA,ITGAX)が絞られ、pathway解析で、抗酸化遺伝子経路を活性化させることが明らかとなった。今後さらに経路を明らかとしていく。 また②について、青黛内服前後での腸内細菌叢の変化を検討した。青黛については腸内細菌叢を介しての効果が言われており、既報においては内服前後での腸内細菌叢の変化が報告されているが、今回の検討では有意な変化は認めなかった.同結果については青黛内服1年間の前向きなデータとともにIntestinal Research誌に報告した。
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