研究実績の概要 |
サルコペニアは加齢に伴う筋量・筋質の低下を特徴とし, 筋力や身体機能低下の原因となる. 超高齢社会を迎えた本邦において, その患者数は増加の一途であり, 寝たきりや要介護状態の主因を占めている. 長寿遺伝子として知られるSirt1は, 慢性炎症や分化制御, ミトコンドリア代謝を介してサルコペニアに対し保護的に作用することが報告されている. 本研究では速筋特異的(fm)Sirt1KOマウスを作成し, 筋力や運動耐容能, 寿命や認知機能への影響, 遺伝子発現の変化を解析する. 現在までの研究結果では, fmSirt1KOマウスと対照群の比較では, 若齢時点では筋重量・筋機能に明らかな差は認めなかったが, 加齢に伴う機能変化, および活動量と代謝性変化が示唆されている. 今後は筋肉と全身臓器の関連を中心に, 老年症候群におけるSirt1の役割解明を研究課題として広げることを企図している.
|