本研究はCaMのRyR2への結合を強固にすることにより、圧負荷がかかる状況下でも右室肥大から右心不全への進展を抑制し予後を改善させる治療を目的とした。 MCT誘発性ラットモデルにおいてダントロレンは、RyR2からのCaMの解離抑制を介して、右室心筋の肥大を抑制しつつ、右心機能を保ち、著しく予後を改善した。肺動脈縮窄(PAB)ラットモデルにおいて、ダントロレンの投与は、右室心筋の肥大を抑制し、右心機能を維持した。一方で、我々が開発したCaMのRyR2へのみの親和性を高めたRyR2 V3580K SD-ratでは、効果は認めなかった。このラット自体に問題があると考えられた。
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