今後の研究の推進方策 |
まずこの1年間で以下のことを進めていく。 入院中または外来通院中の小血管病性認知症患者10-20名、脳アミロイドアンギオパチー患者5-10名、脳血管障害の既往がない認知機能が正常な対照群10-20名からなる計25-50名の被験者を登録。頭部MRI画像、脳血流量SPECTおよび血液検査を施行して、両群の比較を行う。評価内容は以下に示す。認知機能障害に関しては長谷川式認知機能スケール(20点以下)、MMSE(20点以下)、MoCA-J(25点以下)を用いて認知症と診断する。 1.血管性認知症のうち小血管病性認知症(多発ラクナ梗塞性認知症およびBinswanger病)と診断できる患者、Modified Boston Criteriaでアミロイドアンギオパチーと診断できる患者の病態や認知症の重症度(HDS-R, MMSE, FAB, MOCA-J)、画像(頭部MRI,脳血流SPECTのパターンによる分類)、患者背景を健常対照群と比較する。2.血液サンプルを収集し、フローサイトメトリー(FACS)にて好中球、単球およびCD4+T, CD8+T, CD4-CD8-T, MAIT, γδT細胞数と総Tリンパ球中の比率を解析するとともに、各リンパ球の活性化(CD69陽性リンパ球の比率)を比較し、血管性認知症の重症度との関連性を解析。3.末梢血中サイトカイン(IL-1β, IL-6, IL-10, IL-17, IL-23, TNF-α, IFN-γ, TGF-βなど)の産生量についてELISAで測定し血管性認知症の重症度との関連を評価。 動物実験に関しては上記データが一定数集まってから追加で施行していく予定とする。
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