研究課題
若手研究
筋萎縮性側索硬化症 (ALS) は、運動ニューロンの選択的細胞死により運動機能が失われる代表的な神経難病の一つである。その病態には不明な点が多く現時点で根治療法は見出されていない。本研究では新規のALS関連遺伝子の同定とALS発症メカニズムの解明を目指し、当科で収集した孤発性および家族性ALS症例について、全エクソンシーケンス解析および全ゲノムシーケンス解析などによる網羅的ゲノム解析を実施した。その結果、ALSに関連する新規遺伝子を同定した。
神経内科学
本邦の家族性ALS症例の約4割、孤発性ALS症例の約96%において、ALSの原因遺伝子の病原性バリアントが見出されておらず、遺伝的病因の解明は引き続き重要な課題である。本研究で今回ALSの新規原因遺伝子の病原性バリアントを家族性ALSおよび孤発性ALS症例で見出したことは、ALSのさらなる病態解明のためにも重要な知見である。さらに脂質代謝に重要な遺伝子の病原性バリアントを同定したことから、特定の脂質代謝異常を是正することによりALSの治療が可能になることも期待される。