研究課題/領域番号 |
22K15728
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小倉 礼 名古屋大学, 脳とこころの研究センター(医), 特任助教 (80929927)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / プレクリニカル / 予備能 / バイオマーカー / 安静時機能的MRI |
研究成果の概要 |
健常高齢者を対象として、アミロイドβ(Aβ)を始めとするアルツハイマー型認知症の血液バイオマーカーを測定し、認知機能の維持に関連する画像特徴を検討した。画像解析では、認知機能が正常かつAβが陰性と考えられる群(NC群)と認知機能は正常だがAβが陽性と考えられる群(CR群)の安静時機能的ネットワーク変化を比較した。CR群において後部帯状回とsalience networkを構成する領域の結合が増強していた。また、Aβの血液バイオマーカーと相関を示すネットワーク変化も同様の傾向を示した。一方、p-tau181との相関を示したネットワーク変化は結合の減弱が主体であった。
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自由記述の分野 |
神経画像
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国では高齢化の進展とともに認知症患者が急増し、2025年には高齢者人口の20%が認知症になると予測されてきた。認知症は身体的・精神的・経済的に及ぼす影響も大きく、高齢社会が抱える問題とも深く関わることから根本治療法の確立が望まれてきた。2023年にはAβを標的とする抗体治療薬が早期の認知症と認知症前段階の患者を対象に導入され、認知症治療は大きく変わろうとしているが、発症予防、早期診断、進行抑制に関わる病態の解明は依然として急務である。本研究では認知症前段階の認知予備能が機能している段階における脳内ネットワーク変化を検討した。発症予防、早期診断に重要な病態解明の一助となる可能性が期待される。
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