研究課題/領域番号 |
22K15737
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 皓晴 順天堂大学, 医学部, 助教 (90884065)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | てんかん / 発作型診断 / 脳波解析 / 同期現象 / Connectivity analysis |
研究実績の概要 |
本研究は、てんかんにおける非発作時の持続的な障害である“神経活動の同期異常”を用いた新たな指標開発と、てんかん脳波診断における診断能の検証”を目的としている。 具体的な解析手法としては、申請者が先行研究で行なった、脳波信号解析の手法のひとつであるSynchronization likelihood 法(SL法)である。しかしながら、申請者が従来行っていた解析方法では、手順が多く時間が多大に必要であることが懸念された。そこで、申請者はMatlab上で解析コードを修正し、各々の解析周波数を一度に解析しうる、より迅速な解析方法での稼働の検証を行なった。 解析結果の精度を確認するために、頭蓋内脳波を用いて解析を行った。焦点性てんかんにおける神経活動の同期現象から焦点診断を行うことが可能であることが解析結果から証明されたため、第55回てんかん学会にて症例報告した。 現状の解析手法で解析を進めていく。 また解析対象となる脳波データに関しては、全般性てんかん10例・焦点性てんかん10例のデータ収集が完了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、てんかんにおける非発作時の背景脳波から、脳波信号解析の手法のひとつであるSynchronization likelihood法(SL法)を用いて、 “神経活動の同期異常”の数値化をすることが必要である。 申請者本人がこれまで用いてきたSL法の解析ソフトでは、解析に要する手順が多く、多大な時間が必要であることがわかった。そこで、Matlab上で解析コードの修正を行い、さらに正常稼働するかを検証する必要があった。頭皮脳波に加え、今後の研究発展も視野に入れ、頭蓋内脳波での解析検証も行なった。新しい解析手法を用いた臨床研究を行い、結果を学会報告している。以上のことから、予期せず研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現時点で、全般性てんかん10例と焦点性てんかん10例での解析・比較検討を行い、各群における脳波での神経活動の同期現象を特徴づける。必要に応じて、解析手法を修正し、評価項目の妥当性を検討する。(令和5年度) 研究対照群数を増加させ、健常対照群の解析も加える。(令和5年度後半, 6年度前半) 結果を適宜、学会報告し、論文報告を行う。(令和6年度)
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次年度使用額が生じた理由 |
アメリカてんかん学会での発表を計画していたが、コロナ禍により不可となったため。
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