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2023 年度 実施状況報告書

神経細胞とグリア細胞からなる微小環境の再現によるADHDの病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K15750
研究機関神戸大学

研究代表者

江口 典臣  神戸大学, インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター, 助教 (80814566)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードADHD / 幹細胞 / グリア細胞 / アストロサイト / ドーパミン神経 / オルガノイド
研究実績の概要

前研究課題(課題番号:18K15516)から引き続き大脳オルガノイドを分化誘導する実験を行っており、その成果の一部を利用した研究成果を2023年1月に論文に発表した(Danmeng, Eguchi et al. Stem cell reviews and reports 2023)。これはADHD患者由来のiPS細胞から大脳オルガノイドを分化誘導し、その形態的な解析を行うことで、ADHD患者では大脳皮質の発生における細胞増殖、神経細胞への分化に変化を生じていることを示唆する内容であり、それ以前に報告のない先駆的な内容であった。
2023年4月に神戸大学医学研究科 精神医学分野を異動になり、神戸大学 インクルーシブキャンパス&ヘルスケアセンター 保健管理部門の所属となった。研究の場は神戸大学医学研究科 生理学分野に移した。異動に伴い、ADHD患者由来のiPS細胞を用いた研究は中止となった。研究の対象を、ADHDと同じく神経発達症である自閉スペクトラム症(ASD)のモデルである、1q21.1染色体異常を持つES細胞に移し、神経発達症における発生異常の解析と、グリア細胞と神経細胞の関連、神経回路の解析を行う方針とした。
まず、ES細胞を用い、大脳皮質オルガノイドに分化誘導する再現実験を行った。昨年度まで用いていたiPS細胞よりも分化効率が悪く、特に1か月を超える長期間の培養は困難であった。大脳皮質オルガノイドを2~3か月の長期間培養し、組織中に誘導されると考えられるアストロサイトの観察を行う予定であったが、まだ達成されていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

異動に伴い実験対象とする細胞を変えたことで、再度実験条件の検討が必要となった。

今後の研究の推進方策

3次元的な分化誘導について実験条件を検討してきたが、並行して2次元的な神経細胞、グリア細胞の分化誘導についても先行研究を参考に実験を行い、条件を検討する必要がある。3次元的な大脳オルガノイド中に誘導されるアストロサイトの観察、2次元的なアストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアの分化誘導、さらにそれらグリア細胞と神経細胞からなる神経回路の再現を目指す。

次年度使用額が生じた理由

実験に使う試薬や培養用ディッシュ等の購入に使用した。必要な物品は概ね予定通り購入したが、少額の残額が生じた。次年度も同様に実験に使用する物品の購入が必要であるため、試薬等の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Telencephalon Organoids Derived from an Individual with ADHD Show Altered Neurodevelopment of Early Cortical Layer Structure2023

    • 著者名/発表者名
      Zhang Danmeng、Eguchi Noriomi、Okazaki Satoshi、Sora Ichiro、Hishimoto Akitoyo
    • 雑誌名

      Stem Cell Reviews and Reports

      巻: 19 ページ: 1482~1491

    • DOI

      10.1007/s12015-023-10519-z

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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