研究課題/領域番号 |
22K15758
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
伊豆原 宗人 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 睡眠・覚醒障害研究部, 研究生 (20802838)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 睡眠覚醒相後退症候群 / オレキシン受容体アンタゴニスト |
研究実績の概要 |
睡眠覚醒相後退症候群は入眠困難、社会的に許容される時間での起床の困難を主症状とする睡眠障害である。従来から行われてきた光療法やメラトニン療法は奏効率50%程度で、約半数の患者が治療抵抗性である。 睡眠覚醒相後退症候群患者の入眠困難に睡眠薬を用いて治療を行おうという試みは、本邦から1989年Ozakiら、1996年にYamaderaらにより試みられ、36%の奏効率が報告されている。しかし、米国睡眠医学会のガイドラインでは、これらGABA受容体作動薬による、健忘などの認知機能障害、筋弛緩作用による転倒、薬物依存や過鎮静などの副作用を考慮すると、使用の推奨はできないとしてきた。一方、近年これらの副作用が比較的少ないとされるオレキシン受容体アンタゴニストと呼ばれるタイプの睡眠薬が開発され、その安全性から頻用されるようになってきている。申請者は睡眠相後退症候群患者にオレキシン受容体アンタゴニストを用いて著効した症例を集めてケースシリーズを国際雑誌に発表を行った。メラトニン受容体作動薬の効果が乏しかった症例、留年の危機で速やかな睡眠覚醒相の前進が必要であった症例などで奏功した。明らかな副作用は観察されなかった。この報告からは、睡眠覚醒相後退症候群患者の中の少なくとも一部は、メラトニン分泌など内因性リズムのずれに対する治療には反応が乏しく、覚醒系を支配するオレキシン系を減弱させるオレキシン受容体アンタゴニストに反応を示す群がいることが示唆される。本研究では、オレキシン受容体アンタゴニストの睡眠覚醒相後退症候群に対する効果について精査していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
参加者リクルートの進捗が思わしくなく、すでに蓄積されたデータの解析を行い、研究目的の達成を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
当院ですでに蓄積されている活動量計データ・睡眠日誌に対し、後方視的研究として、睡眠覚醒相後退症候群に対するオレキシン受容体アンタゴニストの効果を確認していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた二重盲検試験が行うことができず、予算を使い切ることができなかった。後方視的研究に切り替え、研究成果について学会発表や学術誌での発表等、成果の広報に使うなど、研究目的達成にむけて研究計画を変更していく。
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