研究実績の概要 |
2023年度は臨床精神神経薬理学会のシンポジウムにおいて「抑うつ性混合状態の評価と危険因子」の演題で発表を行った。昨年度までの研究で得られたfreeSuferによる脳構造解析におけるうつ病エピソードにおける閾値下の軽躁症状の影響する脳部位、自閉ペクトラム症の影響(Zamami Y et al, Psychiatry Res. 2021)について報告を行った。また生物学的精神医学会では「大うつ病性障害の脳内ネットワークマーカーの縦断的信頼性と臨床状態との関連性の検証」の演題で報告を行った。2022年度には我々のグループではうつ病の安静時機能的MRIを用いたバイオマーカーの縦断的再現性について報告(Okada G et al, J Affect Disord, 2023)しているが、縦断的な解析においてうつ病バイオマーカーはうつ病群でも再現性が担保されることを明らかにした。さらに昨年度明らかにしたようにこのバイオマーカーの各結合を解析したところ右楔部と右上側頭回の結合が閾値下の軽躁症状と関連していることが明らかになっており、これらの成果については現在論文化を行っている最中である。双極症との関連についてもさらなる解析を行う事で、閾値下の軽躁症状が状態依存性なのか疾患依存性なのか検討する予定である。その他混合性うつ病とBDNFの関係(Otsuka N et al, Psychiatry Investig. 2023)、飲酒パターンとアルコール使用中止後も残存するうつ状態の関係(Kurihara K et al , Neuropsychopharmacol Rep. 2024)について報告を行っている。
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