研究課題/領域番号 |
22K15765
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
尾崎 優樹 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40769527)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 睡眠障害 / アクチグラフ / うつ病 / 双極性障害 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
うつ病、双極性障害、統合失調症などの精神疾患では、疾患の症状として睡眠障害が見られ、その病勢によって睡眠障害の程度も変化することが知られている。今回、睡眠障害にターゲットを絞り、客観的な睡眠状態の評価を行い、治療前後で遺伝子発現を測定する事で治療反応性バイオマーカーを検討する研究を行っている。 客観的な指標としてアクチグラフ(アクチ・ジャパン)を用い、同時に遺伝子発現を解析することで、睡眠状態と遺伝子発現の相関や、それらがうつ病、双極性障害、統合失調症などの精神疾患の病勢バイオマーカーになりえるかどうかを明らかにする。 すでにリクルートされた患者については睡眠日誌の記入を行ってもらっており、客観的評価としてアクチグラフを1週間継続して装着してもらったデータを収集している。治療場所が入院環境であった患者においては、適宜評価尺度を用いて原疾患の病勢を確認し、原疾患が改善したと判断できたタイミングで改めてアクチグラフによる睡眠状態の確認と遺伝子発現解析を行っている。治療場所が外来環境である患者においては、外来場面である程度病状が落ち着いてきたと外来主治医が判断した段階で評価尺度を用いて病勢を確認し、その段階でアクチグラフおよび研究採血を行っている。 現在はまだ睡眠評価と遺伝子発現の変化の相関が確認できるほどのデータは足りていないが、継続してデータを収集している最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、患者のリクルートを継続して行っている段階である。 当初は治療状況や治療内容を固定化させ、病勢を常に確認しながら治療および検査が行えるため、また、アクチグラフの台数が限られており外来患者に長期間貸出をすることが困難であったため、入院患者を中心としてリクルートを進めていた。しかし、入院するほどに病勢の強い患者においては、意欲低下や思考制止、幻覚妄想が著しく、研究に同意できない、もしくは一度同意しても後日同意の撤回がなされるなど、当初の予定よりもリクルートできる患者数が少なくなってしまっている。また、治療の途中で転院したり、病状が重く、入院治療を行っても完解まで至らないケースも見られている。 現在はアクチグラフの台数を増やし、外来患者にもリクルート範囲を広げて研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
アクチグラフの台数を増やし、現在は外来患者にもリクルート範囲を広げて研究を進めている。 外来患者を対象とした場合は入院患者に比べて病勢の確認ができる機会が限られているという課題があるため、外来通院時に適宜評価尺度を用いて病勢の確認を行いながらリクルートを進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究に使用する物品等の購入費に充てる予定である。
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