研究課題
強いストレスを感じた際の心理的防衛機制として生じる過眠症状を心因性過眠と呼ぶ。心因性過眠はナルコレプシーや特発性過眠症といった中枢性過眠症と独立して出現し、難治の過眠症状の一因となっている可能性があるが、1950年代の報告を最後に近年に至るまで、ほとんど注目されてこなかった。近年、注意欠如・多動症と関連した日中の過度の眠気が注目されており、発達特性から生じた心理的葛藤が心因性過眠の原因となっている可能性があるが、この点に注目し検証した研究はない。さらに、心因性過眠に対する心理的介入の効果について検討した報告もない。そこで本研究では、心因性過眠に特異的な症状を抽出するとともに、心因性過眠と発達特性との関連を明らかにする。第一段階として、心因性過眠に特異的な症状を抽出し、新しい重症度評価スケールを開発することを目標としている。
4: 遅れている
当初の研究計画の実施手順(症状の抽出に関する手法やツールの選定)に問題が見つかり、予定していた研究方法の有効性や信頼性に疑問が生じた。そのため、研究計画の再構築をしている段階である
当センターでは中枢性過眠症の診断のため、反復睡眠潜時検査を実施しており、かつ一部の症例では中枢性過眠症の診断を満たさない患者が存在することから、その背景因子を明らかにする観察研究をまず実施する予定である。
予定していた研究補助員の雇用ができなかった。また、予定していた国際学会への参加もできず、支出予定額を大きく下回ることとなった。今年度は複数の国内・国際学会への参加を予定している。また今後データ解析を行い論文作成を行うにあたり、論文校正や投稿などに費用が必要と考える。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)
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