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2022 年度 実施状況報告書

概日リズム指標から同定された「双極性要素」に基づくうつ病治療の層別化の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K15792
研究機関杏林大学

研究代表者

坪井 貴嗣  杏林大学, 医学部, 准教授 (00445404)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードうつ病 / 双極性障害 / 躁的因子
研究実績の概要

躁的因子を有するうつ病患者において、将来的な双極性障害への移行を予測する指標や治療に関する科学的根拠が現時点では不足しているため、まずはじめに、うつ病患者における躁的因子と治療薬との関係性について予備的な検討を行っている。具体的には、DSM-5にて操作的には大うつ病性障害の診断基準を満たす18~65歳の外来通院患者の中で、6ヶ月間主たる治療薬の変更が無い長期安定患者を対象とし、The Quick Inventory of Depressive Symptomatology-Self Report (QIDS-SR)の日本語版、Temperament Evaluation of Memphis, Pisa, Paris, and San Diego-Auto questionnaire (TEMPS-A)の日本語版、Bipolarity Index (BI)の日本語版、そして処方薬の調査を行っている。組み入れられた患者を主剤が抗うつ薬のみの群(抗うつ薬群)と抗精神病薬や気分安定薬を使用している群(抗精神病薬・気分安定薬群)の2群に分け、BIとの関係等を統計学的に検討する方向である。本研究は杏林大学医学部倫理委員会及び順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院倫理委員会の承認を得て、個人が特定できないようプライバシー保護に十分配慮して実施している。これまで本研究の背景に関して、第15回日本不安症学会学術大会および第41回日本社会精神医学会にて学会発表を行ってきた。そして現在は上記2施設あわせて72名の患者が組み入れられており、本年7月に開催される第20回日本うつ病学会総会で予備的結果を発表する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和4年度は新型コロナウィルス感染症の影響がなくなりつつある状況であったものの、依然として2類相当であったため臨床研究の組み入れに苦労した。しかし、令和5年5月8日以降は当該感染症が5類に移行され、さらには研究推進のためにリサーチアシスタントを令和5年度より導入したため、組み入れを含めた本研究の遂行が加速することが見込まれる。

今後の研究の推進方策

今後は上記研究に関して組み入れ終了後、本解析を進め、躁的因子を定量化するBIや双極性障害を予測する可能性がある気質と治療薬との関係を明らかにし、論文化をすすめる。さらには難治性うつ病と臨床的に考えられている患者の中で、うつ病あるいは双極性障害と診断された患者に対し、概日リズムをアクチグラフィ等を用いて測定する研究もすすめていく予定である。これらの研究により、うつ病患者において将来的な双極性障害への移行を予測する要素を相互補完的に示唆できる可能性があり、推進していきたい。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度は研究の組み入れが遅れたため、概日リズムの測定に用いるアクチグラフィの購入には至らず、次年度使用額が生じた。令和5年度は研究推進のためにリサーチアシスタントの導入とともにアクチグラフィの購入を行い、研究推進に努めたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 気分障害の寛解、そしてリカバリー2023

    • 著者名/発表者名
      坪井貴嗣
    • 学会等名
      第41回日本社会精神医学会
  • [学会発表] うつ病と双極性障害をいつどのように見分けるか2022

    • 著者名/発表者名
      坪井貴嗣
    • 学会等名
      第14回日本不安症学会学術大会

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公開日: 2023-12-25  

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