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2022 年度 実施状況報告書

新たな治療法の開発に向けた治療抵抗性うつ病の神経基盤の解明:AMPA-PET研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K15793
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

谷 英明  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30570907)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード治療抵抗性うつ病 / AMPA受容体 / PET
研究実績の概要

うつ病は機能障害や生活の質の損失と直結するが、うつ病患者の約3割は、既存のモノアミン系の抗うつ薬が効かない「治療抵抗性うつ病」とされ、その病態の解明と治療法の開発が喫緊の課題となっている。そこで本課題では、治療抵抗性うつ病患者に特徴的な神経基盤の探索を目的とした。非モノアミン系の分子が寄与していると仮説をたて、なかでも興奮性神経伝達を主に担っているグルタミン酸受容体のα-Amino-3-hydroxy-5-methyl-4-isoxazolepropionic acid (AMPA)受容体に注目した。
本研究では、治療抵抗性うつ病患者と非治療抵抗性うつ病患者を対象に、AMPA受容体を標識する新規PETトレーサーの[11C]K-2を用いてPET検査を実施し、治療抵抗性うつ病患者に特徴的な神経基盤の同定を試みている。またグルタミン酸濃度や構造的・機能的結合性の観点からも治療抵抗性うつ病の生物学的な特徴を解明する。
本課題では、20歳以上59歳以下の男女の非治療抵抗性うつ病患者30名および治療抵抗性うつ病患者30名を対象とし、後者は現在の抑うつエピソードに対して抗うつ薬を2種類以上、承認用量で6週間以上使用しても反応が不十分であり、かつ、中等症以上のうつ症状を認める症例としている。
本年度は被験者の組み入れと撮像を行い、概ね予定していた研究対象者の撮像を行うことができた。また、グルタミン酸を切り口として、治療抵抗性うつ病患者における病態生理・治療反応性に関する先行研究を精査した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は非治療抵抗性うつ病患者30例と治療抵抗性うつ病24例の撮像が終了し、順調に進捗していると言える。

今後の研究の推進方策

治療抵抗性うつ病患者の組み入れを進める。そして、非治療抵抗性うつ病患者と治療抵抗性うつ病患者の画像解析を実施して比較し、治療抵抗性うつ病患者に特徴的な神経基盤を探索する。具体的にはAMPA受容体に着目し、治療抵抗性うつ病患者と非治療抵抗性うつ病患者でAMPA受容体の集積に差異がある脳部位を明らかにする。また、うつ病重症度とAMPA受容体密度との相関解析も行う。その成果を国内外の学術集会で報告する。

次年度使用額が生じた理由

消耗品と一部の機材の購入を計画していたが、生協の取り扱いがなく購入を断念したため。また、予定していた学会へ都合により参加できなかったため。次年度では解析や学会参加、また成果の発表に係る費用に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ケタミンの抗うつ作用と関連する因子:治療抵抗性うつ病に対するケタミン静注の二重盲検プラセボ対照試験の再解析2022

    • 著者名/発表者名
      米澤賢吾, 谷英明, 三村將, 内田裕之
    • 学会等名
      第32回日本臨床精神神経薬理学会年会

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公開日: 2023-12-25  

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