本研究の目的である人工知能を用いた交感神経イメージングの3次元解析と絶対定量評価法の開発として、以下の各項目を初年度に実施した。 1.SPECT-CTを用いた交感神経イメージングの3次元解析 SPECTに散乱減弱補正用低線量CTを加え、SPECT-CTを再構成した。左室を関心領域として手動で臓器セグメンテーションし、3次元絶対定量評価を行った。早期像、後期像、それぞれの SUV 値および洗い出し率を算出することが可能であり、従来の2次元定量評価(心縦隔比、洗い出し率)と比較した。3次元定量評価は従来法の2次元定量評価と良好な相関関係を示しており、米国核医学会2022、第32回日本心臓核医学会、第13回世界核医学会で発展的に報告した。 2.人工知能(CNN)とSPECT-CTの融合 交感神経イメージングにおいて、人工知能とSPECT-CTの融合が可能であることは確認できた。次のステップとして心臓の関心領域をどのように設定するのか(心臓全体、左室等)、複数の方法を考慮しながら検討を進めている。
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