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2023 年度 実施状況報告書

リキッドバイオプシーを用いた膵癌重粒子線治療におけるバイオマーカーの確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K15816
研究機関公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団九州国際重粒子線がん治療センター(臨床研究部)

研究代表者

寺嶋 広太郎  公益財団法人佐賀国際重粒子線がん治療財団九州国際重粒子線がん治療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 医師 (40627676)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード局所進行膵癌に対する重粒子線治療 / 血漿遊離DNA / バイオマーカー
研究実績の概要

切除不能局所進行膵癌に対する重粒子線治療はX線よりも大線量を投与することで高い局所効果が期待できる。しかし、膵癌では潜在的に遠隔病変をきたしていることも多く、その場合は局所治療の意義は限定的となってしまう現状がある。現行の検体検査や画像診断では、潜在的な遠隔病変の診断は困難である。加えて、重粒子線治療後、腫瘍は緩徐に縮小するものの軟部組織としては残存することが多く、通常のCTによるサイズ変化による評価だけでは不十分で、局所の活動性の評価が難しいことも臨床上の問題となっている。
担癌患者の末梢血液中には、破砕した癌細胞由来の血漿遊離DNAが循環している。末梢血の採 血のみで癌特異的な遺伝子変異を検出できる低侵襲な手法( リキッドバイオプシー)であり、新たなバイオマーカーになることが期待されている。 本研究では、局所進行膵癌に対する重粒子線治療時にcfDNAを採取、抽出し遺伝子パネルを用いて複数の異常遺伝子のアレル頻度を経時的にモニタリングするこ とで、既存の検査と比べ、局在診断、治療効果予測、再発診断、再発部位診断に有用な低侵襲のバイオマーカーとしての意義を確立することを目的としている。
2023年度は組織学的に診断されている局所進行膵癌に対して重粒子線治療を施行する症例集積を継続している状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

局所進行膵癌に対する重粒子線治療は保険診療となり症例数は年々増加しつつある。組織確定例の症例集積は進んでいるが、パネル検査にはまだ至っていない。

今後の研究の推進方策

組織確定例で重粒子線治療を行う症例に対し、重粒子線治療前、治療終了時、経過観察時に採血を行い、血漿遊離DNAを抽出して遺伝子パネルを 用いた次世代シークエンサー解析を行う予定である。複数の遺伝子異常の変化(アレル頻度の変化)を解析し、膵癌の局在診断、治療効果予測、再発診断、再発部 位診断に関するバイオマーカーとしての有用性について検討していく。

次年度使用額が生じた理由

今年度は予定していたDNA抽出、遺伝子パネル解析を行なっておらず、次年度に持ち越した。そのため、次年度に改めてDNA抽出、遺伝子パネル検査、委託解析に関わる経費を検討中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 膵癌術後局所領域再発に対する重粒子線治療成績2024

    • 著者名/発表者名
      寺嶋広太郎、末藤大明 、松延 亮、太田稚奈、戸山真吾、福西かおり、 大島健史、塩山善之
    • 学会等名
      第52回 九州膵研究会
  • [学会発表] Carbon-ion Radiotherapy for Postoperative Locoregional Recurrence of Pancreatic Cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Kotaro Terashima, Hiroaki Suefuji, Akira Matsunobu, Shingo Toyama, Kaori Fukunishi, Wakana Ohta, Yoshiyuki Shioyama
    • 学会等名
      2023 ASTRO Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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