研究課題
組織内照射併用腔内照射(IC/IS)は巨大子宮頸癌の治療成績を大きく改善させた。しかしながら、腫瘍浸潤部へのニードルアプリケータ(ニードル)刺入の経験不足、手技難易度の高さにより、国内実施率は約4割に留まっている。本研究では以下の課題を解決し、複合現実(Mixed Reality)を利用した巨大子宮頸癌に対するIC/IS時のニードル刺入を術中に視覚的に支援するシステムを開発する。1. ニードル刺入推奨領域を特定、可視化する。2. CT画像や輪郭、線量分布等の治療計画情報と併せて仮想世界に取り込む。3. 仮想世界と現実世界を複合する。4. ニードル必要刺入本数を推定する。1, 2 において、2022年度にニードル刺入推奨領域の特定、可視化およびCT画像や輪郭、線量分布等の放射線治療計画情報を含めた支援情報の3Dモデル化が完了した。本成果をまとめ、カナダのバンクーバーで開催されたAmerican Brachytherapy Society 2023 Annual Conferenceにて学会発表を行った。また4 において、2022年度に実臨床におけるニードル刺入本数の後方視的な解析が完了し、患者CT・MRI画像および腫瘍の輪郭情報を用いたニードル必要刺入本数の推定可能性が示唆された。本成果をまとめて論文執筆、投稿を行い2023年6月にAnticancer Reserch誌にPublishされた。
2: おおむね順調に進展している
国内・国際学会発表、論文執筆等、対外的な公表を順次進めている。これらの成果を含めた一連の研究を国内および国外特許(PCT)出願済みである。また国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の知的財産審査委員会にて審議を受け、PCT出願支援の対象となっている。現在移行希望国をJSTに提示し、移行費用支援の審査中である。
引き続き本システムの実用化に向けた課題の解決を進める。併せて対外的な研究成果の公表、国内外の特許権の成立を目指す。
現時点での研究成果の対外的な公表(学会発表・論文等)、特許出願を優先したため、研究遂行に必要な設備備品の購入および本備品を用いた研究遂行を次年度予定とした。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Anticancer Research
巻: 44 ページ: 1583~1589
10.21873/anticanres.16956
巻: 43 ページ: 3265~3271
10.21873/anticanres.16501