• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

PET/CT画像を用いた免疫チェックポイント阻害薬の高精度な治療予測モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K15855
研究機関京都大学

研究代表者

中本 隆介  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (10923732)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードPET / CT / 筋肉量 / サルコペニア / 深層学習 / ディープラーニング / がん免疫療法
研究実績の概要

近年、がん免疫療法を含む様々な治療に対する治療抵抗因子として筋肉量低下(サルコペニア)に注目が集まっている。個々の患者の骨格筋量を正確に計測することは、個別化医療を実現する上でますます重要になっている。
そこで本研究では、PET/CTの全身CTを用いて抗重力筋の筋肉量を自動計測するディープラーニングモデルを作成することを目的とした。2022年度には、4名のPET/CTのCTデータおよびオープンソースソフトウェア(3D Slicer)を用いて、筋肉領域のラベル付けを手動で行い、教師データを作成した。2023年度は、オープンソースの3D segmentation model(nnUNET)に対して前述の教師データを用いて学習させた後、残り205名分のCT画像に対してnnUNETで抗重力筋部分の推論を行った。教師データを用いて、正解領域と推論領域の重なり具合(Dice係数)を算出した。全209症例に対して、nnUNETの推論結果と生体電気インピーダンス法の体成分分析装置(InBody)によるの骨格筋量の計測結果との(Spearmanの)相関係数を計算した。その結果、Dice係数の平均は0.973±0.0085(0.961-0.979)であった。また、1名の核医学・放射線診断専門医は、推論後の205名からランダムに30名のデータを抽出し、nnUNETが抗重力筋領域を正確に推論出来ていることを視覚的に確認した。nnUNETとInBodyによる骨格筋量の計測結果の相関は0.963と非常に高い相関を示した。
2024年度、本研究の成果を国内外の研究会で発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度時点ではCT画像のセグメンテーション領域(全身の抗重力筋)が広範囲であり、手動による精度の高い教師データ作成に予想以上の時間がかかったこと、更にはプログラミングに習熟していなかったために進捗に遅れが生じていた。一方2023年度は、少ない教師データ量にも拘わらず、3D segmentation modelを効率的に学習させることに成功したため、2022年度の進捗の遅れを大幅に取り戻すことができた。

今後の研究の推進方策

2024年度は、本来はDice係数を未知のCT data(validation data)を用いて行う必要があるので、validation dataセットを作成した後にDice係数とInBodyによる計測結果との相関係数を各々再計算する予定である。それらの結果がreasonableであれば、本研究は一段落を迎えることとなる。

次年度使用額が生じた理由

2024年度に繰り越した助成金は、当該研究の成果を国内外の学会に参加して発表するために使用予定である。また論文執筆や投稿にかかる費用(英文構成費、投稿料)にも使用する予定である。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi