研究課題/領域番号 |
22K15858
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
紺野 義浩 山形大学, 医学部, 助教 (30594303)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 膵癌 / 早期診断 / 灌流CT / 新規マーカー |
研究実績の概要 |
主膵管の異常は膵癌診断に重要な間接所見である。主膵管の異常のみで、CT上は腫瘤が捉えられない早い段階の膵癌における灌流CTを用いた診断法の検討を行った。腫瘤が捉えられない病変は、パラメトリックマップ上でのROI設定が困難であったが、主膵管異常部に3次元の球状ROIを設定することでROI設定の客観性を担保した。外科的に膵癌と診断された6例と医学的に悪性腫瘍と診断されない症例(no diagnosis of malignancy:NDM)7例について検討した。脾臓に対する主膵管異常部の相対値は、血液量(BV)と平均通過時間(MTT)は膵癌で有意に大きかった(p<0.05)。脾臓に対する相対値の曲線下面積は、BVで1(感度=100%、特異度=100%)、MTTで0.905(感度=86%、特異度=100%)であった。上記研究成果をThe 83rd Annual Meeting of the Japan Radiology Societyにて発表を行った。 新規マーカーの検討のため、市販キットを用いたエクソソームの抽出やエクソソーム由来miRNAとGlypican-1(GPC1)の計測を検証した。HEK293細胞を対照とした発現量は膵癌細胞(SUIT-2, Panc1)の種類で結果がばらついたが、miR-451aではある程度一貫した発現増加を認めた。GPC1測定にはHuman GPC1 ELISA Kit (ELK Biotechnology)を用いた。培養細胞由来のエクソソームタンパクでは感度以上の値を得ることができず、混在する夾雑物の影響が考えられた。市販の膵癌細胞(BxPC3)と健常者血清由来のエクソソームから抽出したタンパク(2.5μg)中のGPC1は有意に膵癌細胞由来で高いことが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
灌流CTを用いた間接所見のみの膵癌の画像診断については一定の成果、結論に至ることができた。今回、培養細胞などから抽出したサンプルを用いて、今後臨床サンプルで調べるマーカーの測定法や実際の値を確認できた。当初の研究計画とは変更されている部分があるが、全体の研究の進捗状況としては「おおむね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
健常者と膵癌患者の血清サンプルを用いたマーカーの検討を行う。特に膵癌患者は画像上、間接所見のみを認める、早期段階の病変であるなど根治性の高い症例を中心に評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前々年度の未使用額が存在していたこと、学会参加のための旅費が少額であったことから、次年度使用額が生じた。次年度の実験や研究に必要な物品の購入費用に充てる計画である。
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