研究課題/領域番号 |
22K15867
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
相川 忠夫 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (20795059)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 新型コロナウイルス / 心臓後遺症 / 造影CT / 遅延造影 / COVID-19 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の心臓後遺症に悩む患者が増加し、将来の心不全発症リスクになり得るが、診断や予後予測に最適な検査法は確立されていない。申請者は、これまでに遅延造影CTを用いた心筋障害定量法の開発と臨床応用を進め、COVID-19関連心筋障害をCTで検出することに成功した。本研究ではCOVID-19関連心臓後遺症について、遅延造影CTによる心筋障害定量法を活用し、本症における最適な患者マネジメント手法を確立することを目的としている。本研究の学術的特色は、特別なプロトコルを要することなく撮像可能なCTをCOVID-19関連心臓後遺症の評価に応用した点である。例えば心臓MRIは心筋障害評価のゴールドスタンダードとして確立しているが、実施可能な施設が限られており、COVID-19関連心臓後遺症が疑われる患者の全員をMRIでスクリーニングすることは困難である。しかし、心臓後遺症が今後の心不全発症リスクになる可能性があることを考えると、簡便で包括的なスクリーニング手法の確立が喫緊の課題である。本研究で着目する遅延造影CTによる心筋障害評価は、画像再構成法の進歩によって臨床使用されるようになり、CT装置があれば特別なプロトコルなく実施できる。まず本研究遂行のために前向き臨床研究を計画し、院内倫理審査委員会の承認を受けた後に患者登録を開始した。得られた画像については読影者間での再現性の検討や定量解析を進めている。また心血管イベントに関する予後調査を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究遂行のために前向き臨床研究を計画し、院内倫理審査委員会の承認を受けた後に患者登録を開始した。これまでにCOVID-19関連心臓後遺症が疑われる患者100名に対して、心臓遅延造影を含む造影CTを実施した。患者の内で54名が女性で、年齢の平均値は42歳であった。得られた画像については読影者間での再現性の検討や定量解析を進めている。また心血管イベントに関する予後調査を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19関連心臓後遺症が疑われた患者における心筋障害の合併頻度や併存疾患との関連について検証していく。遅延造影CTに関しては、読影者間での再現性の検討や定量解析を進めていく。画像所見と心血管イベントとの関連についても検証し、関連学会での発表および論文化を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
画像解析や予後調査に関わる経費を計上する予定である。
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