研究課題
(1) 申請前に開発に携わった、胸部単純写真や胸部CTにおいて病変を検出するAIソフトウェアの性能改善を行った。放射線診断専門医の立場から、AIの誤った検出を指摘し、学習データの改善を試みた。また、胸部MRIでの病変検出AIを開発する前段階として、新型コロナワクチン接種後の腋窩リンパ節腫大を調査し、放射線科領域で最大の雑誌であるRadiology (Impact Factor: 29.1)に掲載された。(2) 申請前に開発に携わった、頭部CTで脳出血を検出するAIソフトウェアや、頭部MRIで脳動脈瘤を検出するAIの性能改善を行った。AIの誤った検出を減らすために、医師の正しい診断を付与した画像を学習データとして更に読み込ませ、AIの高度化を試みた。著書掲載の依頼を受け、脳出血の診断プロセスについてはHospitalist 第39号特集『ホスピタリストのための画像診断 2.脳脊髄編』、AIによる脳動脈瘤の診断に関しては『5G時代のデジタルヘルスとその事業化』やRad Fan 2022年7月号にて執筆した。(3) 2019年9月に申請者が携わった脳動脈瘤検出AIが国内初の薬事承認を取得し、画像診断AIが実用化される先駆けとなった。2022年度の診療報酬改定では、画像診断管理加算3に新たに画像診断AIの要件が加わった。その潮流を受けて、申請者が勤める東京大学医学部附属病院では2023年4月より画像診断AIを搭載したソフトウェアが実装されることとなった。これらの時勢について、『医療とAI・ビッグデータ応用』や第1回日本口腔医学会総会学術大会にて招待講演を行った。
1: 当初の計画以上に進展している
当初予定していたCTやMRI以外のモダリティーにも着手することができ、検出対象となる疾患の幅を広げることが出来たため。
学習や解析に必要なデータをさらに蓄積し、学会発表や論文雑誌への投稿を行いたい。
コロナ禍であり、発表を予定していた国際学会に現地で発表することが困難となったため。次年度には論文執筆を行い、英文校正費として使用したい。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件) 備考 (2件)
Radiology
巻: 306 ページ: 270~278
10.1148/radiol.220814
https://researchmap.jp/saori.koshino/
https://www.researchgate.net/profile/Saori_Koshino