研究実績の概要 |
妊婦サイトメガロウイルス(CMV)抗体スクリーニングについては、三重県内の産婦人科25施設で継続することができた。一方、新生児CMV核酸スクリーニングについては、運用する三重県内の産婦人科施設数を1から6に増加させることができた。 926例(18組の双胎例を含む)に新生児CMV核酸スクリーニングを行い、5例(1組の双胎を含む)が先天性CMV感染児であった。よって、分娩からみた先天性CMV感染の発生率は1,000分娩あたり4例(0.4%)、新生児からみた先天性CMV感染の発生率は1,000児あたり5例(0.5%)の頻度になった。 母体908例のうち、578例は妊婦CMV抗体スクリーニングを受けていた。妊婦CMV抗体スクリーニング結果の内訳としては、妊娠初期CMV IgG(+) IgM(-)が294例(51%)、妊娠初期CMV IgG(+) IgM(+)が47例(8%)、妊娠初期CMV IgG(-) IgM(-)かつ妊娠後期CMV IgG陽転なしが237例(41%)であった。 両児に先天性CMV感染があった双胎例の母体は、妊婦CMV抗体スクリーニングを受けていなかった。参考としての産後のCMV抗体検査では、CMV IgG(+) IgM(-)であった。 今後、妊婦CMV抗体スクリーニングの施設数を維持する。一方、新生児CMV核酸スクリーニングを運用する施設数をさらに増加させていく。
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