研究課題/領域番号 |
22K15921
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
玉浦 萌 広島大学, 医系科学研究科(医), 研究員 (60876762)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 慢性皮膚粘膜カンジダ症 / IL-17シグナル伝達 / IL-17RC異常症 / IL-17F |
研究実績の概要 |
慢性皮膚粘膜カンジダ症 (CMCD:Chronic mucocutaneous candidiasis disease) は、粘膜局所 にCandida albicans (C. albicans) が反復して感染し、しばしば難治となる原発性免疫不全症である。IL-17AとIL-17Fは相同性が高く、両者 は一括して『IL-17』と呼称され、ホモ二量体およびヘテロ二量体を形成する。IL-17は、L-17RAとIL-17RCから成る受容体を介して、粘膜局所でのC. albicansを排除するよう機能し、IL-17のシグナル伝達経路の障害によってCMCDを発症する。 これまでの研究で、CMCD患者において、IL17RC遺伝子の新規変異として、ホモ接合性にIL17RC遺伝子のエクソン13を含めた131塩基対の重複変異を同定した。また、母親においてヘテロ接合性に同変異を認めた。さらに、患者においては、IL17RC遺伝子のエクソン13のそれぞれのアリルにおいて、46塩基または49塩基の重複が生じ、これらの重複によってフレームシフトが起こり、終止コドンが生じていた。この変異はIL17RCのSEFIR(Similar expression to fibroblast growth factor/IL-17R)ドメインに影響を及ぼしていた。これらの結果より、IL17RC遺伝子の新規変異は機能喪失型変異であり、IL17RC異常症の発症原因と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた実験計画に沿って実験を進められているものの、想定よりも時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、患者由来線維芽細胞を用いたIL-17シグナル伝達経路の解析を行い、同定した新規変異の病的意義を明らかにする。また、本症例と既に保有しているIL-17RA異常症患者検体を用いて、IL-17RCホモ受容体を介したシグナル伝達経路の機能について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
想定よりも予定していた実験の遂行に時間を要し、実験に遅れが生じているため、次年度使用額が生じている。
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