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2023 年度 実施状況報告書

全ゲノム解析と近接性標識による46,XX性分化疾患における新規遺伝学的病因の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K15932
研究機関国立研究開発法人国立成育医療研究センター

研究代表者

服部 淳  国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 上級研究員 (30903116)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード性分化 / 精巣形成 / 全ゲノムシークエンシング / タンパク質間相互作用
研究実績の概要

一般的に精巣の形成にはY染色体にある遺伝子SRYが必要とされる。一方で、SRYの存在しない46,XXの染色体をもつにもかかわらず精巣を生じる疾患 (46,XX精巣性/卵精巣性DSD)の患者が存在する。46,XX精巣性/卵精巣性DSDの病因は十分に解明されていない。本研究では、病因未解明の患者に対する全ゲノム配列解析と網羅的タンパク質相互作用解析の併用により本疾患の新たな病因解明を目指す。本年度の進捗は以下の通りである。
(1) 昨年度同定した46,XX精巣性/卵精巣性DSD患者のゲノム配列変化の病原性について検討した。このうち、染色体の崩壊後にランダムに再編成される染色体の異常 (クロモスリプシス)の症例において、切断点周辺の遺伝子のゲノム構造変化がSRYを介さない精巣形成に寄与した可能性を見出した。この成果について第28回日本生殖内分泌学会で報告した。
(2) 網羅的タンパク質相互作用解析により昨年度得られた、46,XX精巣性/卵精巣性DSDの原因となりうるタンパク質「NR5A1」と相互作用をもつタンパク質のリストを用い、DSD患者のゲノムデータを解析した。その結果、NR5A1と相互作用をもつタンパク質をコードする遺伝子にバリアントを同定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに得られたゲノムと網羅的タンパク質相互作用のデータを併用し、DSDの病因候補となるバリアントを複数見出した。

今後の研究の推進方策

引き続き昨年度取得したタンパク質相互作用のデータを併用し、患者のゲノムデータ解析を行う。また、これまでに同定されたバリアントにつき病原性の検証をさらに進める。

次年度使用額が生じた理由

欠品などの理由により一部の試薬を今年度購入できなかったこと、また一部の試薬を当初の予定よりも一部の試薬を安く購入することができたことなどより、若干の次年度使用額が生じた。この繰越額を次年度の物品費等に充てる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ヒト性腺の性の多様性をまねくゲノム構造バリアント2024

    • 著者名/発表者名
      服部 淳、深見 真紀
    • 雑誌名

      細胞

      巻: 744 ページ: 54~57

  • [雑誌論文] Nuclear Receptor Gene Variants Underlying Disorders/Differences of Sex Development through Abnormal Testicular Development2023

    • 著者名/発表者名
      Hattori Atsushi、Fukami Maki
    • 雑誌名

      Biomolecules

      巻: 13 ページ: 691

    • DOI

      10.3390/biom13040691

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] クロモスリプシスに引き起こされたと推測される46,XX精巣性/卵精巣性性分化 疾患症例2023

    • 著者名/発表者名
      服部 淳
    • 学会等名
      第28回日本生殖内分泌学会

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公開日: 2024-12-25  

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