ADA2欠損症は全身性の小~中型動脈炎を特徴とする遺伝性自己炎症疾患で、その血管炎発症機序は依然として不明である。本研究は、ヒト細胞株でCRISPR/Cas9によるADA2ノックアウトを行い、線維芽細胞との共培養によって血管炎病態を再現するアッセイ系を構築した。また、同アッセイ系を用いてJAK阻害薬の有効性を確認した。加えて、免疫沈降及び近位依存性ビオチン化標識法を用いて、従来まで示されていなかったADA2に直接結合或いは相互作用する分子を明らかにした。これにより、ADA2欠損症の分子メカニズム解明につながる新たな可能性を示した。
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