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2022 年度 実施状況報告書

レット症候群のグレリン投与による治療メカニズムの解明~睡眠障害を改善できるか~

研究課題

研究課題/領域番号 22K15952
研究機関久留米大学

研究代表者

弓削 康太郎  久留米大学, 医学部, 講師 (20624472)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードレット症候群 / 睡眠障害 / 睡眠評価法 / グレリン
研究実績の概要

本研究の目的はレット症候群(RTT)モデルマウスを利用してRTTの睡眠障害に対するグレリンの治療効果、メカニズムを解明することである。
RTTモデルマウスの明暗周期での活動量評価、覚醒睡眠評価、遺伝子発現評価により、RTTの睡眠障害は、サーカディアンリズム障害よりも睡眠構造異常、睡眠の断片化が病態の中心であることを確認、またその原因としてオレキシンレセプター遺伝子異常が関連するのではないかと仮説を立てることができている(第17回国際小児神経学会、第49回日本脳科学学会にて発表)。現在、脳内の睡眠・覚醒に関わる主な領域の解剖学的評価、また心拍変動解析による自律神経評価を実施し解析途中である。今後グレリン治療を行い、睡眠・覚醒病態への作用メカニズムを調査・解析する予定である。
またRTTモデルマウスでの睡眠評価がRTT患者の睡眠評価と相関するかを追加している。RTT患者の覚醒睡眠評価は非常に困難であるが、簡易な1チャンネル脳波計による評価を開始している。本デバイスによる評価のメリットは普段の睡眠環境において測定できること、また覚醒中も測定をできることなどが挙げられる。デメリットは睡眠構築のみの評価であり、それに影響を与えるてんかん、呼吸の異常、運動障害などは評価できないことが挙げられる。これまでに4名のRTT患者の測定を終了し解析を開始している。短時間の覚醒・睡眠を繰り返しており睡眠の断片化を認めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

グレリン投与による睡眠への影響を証明するためのRTTモデルマウスにおける睡眠評価方法の確立は着実にできてきている。また追加評価方法としてRTT患者での睡眠構築評価も併せて進めている。おおむね順調に進んでいると自己評価している。

今後の研究の推進方策

各研究協力者とミーティング、適切な指導を受けながら研究計画通りに進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度には研究成果発表を海外でするために前倒し請求をしたが、その余剰分が次年度使用額として生じた。いずれにしても研究成果の発表以外の研究計画は計画通りである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Perampanel markedly improved clinical seizures in a patient with a Rett‐like phenotype and 960‐kb deletion on chromosome 9q34.11 including the <i>STXBP1</i>2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Syun、Amamoto Masano、Takahashi Tomoyuki、Tomita Ichiro、Yuge Kotaro、Hara Munetsugu、Iwama Kazuhiro、Matsumoto Naomichi、Matsuishi Toyojiro
    • 雑誌名

      Clinical Case Reports

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      10.1002/ccr3.5811

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Japanese version of the children’s sleep habits questionnaire (CSHQ-J): A validation study and influencing factors2022

    • 著者名/発表者名
      Ishii Ryuta、Obara Hitoshi、Nagamitsu Shinichiro、Matsuoka Michiko、Suda Masao、Yuge Koutaro、Inoue Takeshi、Sakuta Ryoichi、Oka Yasunori、Kakuma Tatsuyuki、Matsuishi Toyojiro、Yamashita Yushiro
    • 雑誌名

      Brain and Development

      巻: 44 ページ: 595~604

    • DOI

      10.1016/j.braindev.2022.06.003

    • 査読あり
  • [学会発表] Study of Sleep Disturbances In Rett Syndrome By Mecp2-Deficient Mice2022

    • 著者名/発表者名
      Kotaro Yuge, Munetsugu Hara, Tomoyuki Takahashi, Toyojiro Matsuishi, Yushiro Yamashita
    • 学会等名
      17th International Child Neurology Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] レット症候群モデルマウスにおける睡眠・覚醒病態とオレキシンシグナル伝達の異常2022

    • 著者名/発表者名
      弓削康太郎、高橋知之、河原幸江、坂井勇介、佐藤貴弘、 児島将康、西昭徳、松石豊次郎、山下裕史朗
    • 学会等名
      第49回日本脳科学会

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公開日: 2023-12-25  

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