研究実績の概要 |
本年度は、マウス大腸がん細胞株を用いたレオウイルスおよびSTING agonist, ADU-S100の有効性について、in vitroおよびin vivoでの検証を行う。またレオウイルスにより免疫原性細胞死(ICD;immunogenic cell death)がもたらされるかについても検証する。 マウス大腸がん細胞株としては、CT26およびMC38を用いる。レオウイルスの有効性について、各細胞に、1MOI,3MOI,10MOI濃度のレオウイルスを感染させ、感染後24時間、48時間、72時間後に細胞増殖アッセイによりレオウイルスの有効性を評価する。同様に、培養液中にSTING agonist, ADU-S100を添加し、その有効性について検証する。 レオウイルスによるICDについては、レオウイルスを感染させた細胞の培養液中のATP、HGMB-1を計測することで評価する。 マウスを用いた実験では、免疫力の保持されたBALB/cマウスの皮下にCT26を移植する同種移植マウスモデルを用いる。まずは、マウスに移植したCT26が腫瘍を形成したところで、腫瘍内に直接、レオウイルスを投与し、腫瘍増殖抑制能を評価する。STING agonist, ADU-S100についても同様に、担がんマウスに投与し、腫瘍増殖抑制能を評価する。さらに、レオウイルおよびADU-S100を併用投与したマウスの腫瘍についても増殖能を評価する。また、レオウイルス、ADU-S100による腫瘍増殖抑制効果だけではなく、腫瘍細胞に与える影響を免疫染色により評価する。これらの抗腫瘍薬を投与後に、マウスから腫瘍を摘出する。ホルマリンで固定後に、Ki67、Cleaved Caspase-3、Granzyme Bの免疫染色を行い、細胞障害の誘導、抗腫瘍免疫の誘導について評価する。
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