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2022 年度 実施状況報告書

オルガノイド技術と新規シンジェニックマウスモデルを用いた胆道癌・膵癌の治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K16006
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

春日 章良  公益財団法人がん研究会, 有明病院 肝・胆・膵内科, 副医長 (30625546)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード胆道癌 / 膵癌 / オルガノイド / マウスモデル
研究実績の概要

我々は、マウス胆道上皮細胞をオルガノイド培養し、遺伝子改変された一次腫瘍形成細胞を同系マウスに移植することで、肺転移能を有する肝内胆管癌・胆嚢癌・肝外胆管癌の新規シンジェニックマウスモデルを開発した。形成された腫瘍は、強い間質反応を伴い、腺管構造を有する腺癌の不均一な腫瘍の組織像で、ヒト胆道癌の病理像と酷似していた。
まず、開発した胆道癌マウスモデルが、ヒト・マウス間における病理の相同性を明らかにする研究を開始した。マウスモデルの病理組織画像を人口知能(AI)を用いて解析した。Tissue arrayを用いて、ヒト胆道癌病理組織画像と開発したマウスモデルのマウス胆道癌の病理画像から細胞を認識し、細胞の形態をはじめ、色調や模様など複合的な特徴を定量化した。AIでモデルマウスとヒトの病理組織画像の特徴を比較し、相同性の評価をすることによって、相同性を明らかにした。
相同性の条件が定量的に明らかになることで、モデルマウスの評価結果から、ヒトでの評価結果の予測が可能になりえる。また、AIによる自動解析で手作業では叶わなかった多くの病理組織画像を客観的に評価可能になり、このマウスモデルを用いた非臨床実験モデルにより創薬の効率化が期待できると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍の影響により、一部試薬の入手が困難な時期があったため、遅れている。
一方、まず、人口知能(AI)を用いて、開発した胆道癌マウスモデルが、ヒト・マウス間において、病理の相同性が認めることを明らかにした。
開発した胆道癌マウスモデルにおいて、腫瘍組織内にはPD-L1発現細胞が含まれており、免疫組織染色の解析により、CD4+T細胞と、CD8+T細胞の存在も確認できたことから、現在、マウス腫瘍における免疫細胞などの微小環境についての解析を行っているところである。

今後の研究の推進方策

確立した胆道癌マウスモデルにおける微小環境との相互作用について解析をすすめる。Tissue arrayを用いて、ヒト・マウス間において、人口知能(AI)を用いて、病理の相同性を認めることを明らかにしたが、さらに実際の臨床サンプルを用いて、がん組織の悪性度および治療抵抗性との関係についても明らかにするとともに、微小環境と腫瘍内不均一性の意義について明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

(理由)コロナ禍の影響により、一部試薬の入手が困難な時期があったため、オルガノイド作成が困難であった。
(使用計画)実際の臨床サンプルを用いて、がん組織の悪性度および治療抵抗性との関係についても明らかにするために、オルガノイド作成のみならず、免疫組織染色等を行い、微小環境と腫瘍内不均一性の意義について明らかにしていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Pixel-Level Clustering of Hematoxylin?Eosin-Stained Sections of Mouse and Human Biliary Tract Cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Inoue Haruki、Aimono Eriko、Kasuga Akiyoshi、Tanaka Haruto、Iwasaki Aika、Saya Hideyuki、Arima Yoshimi
    • 雑誌名

      Biomedicines

      巻: 10 ページ: 3133~3133

    • DOI

      10.3390/biomedicines10123133

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Molecular Features and Clinical Management of Hereditary Pancreatic Cancer Syndromes and Familial Pancreatic Cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Kasuga Akiyoshi、Okamoto Takeshi、Udagawa Shohei、Mori Chinatsu、Mie Takafumi、Furukawa Takaaki、Yamada Yuto、Takeda Tsuyoshi、Matsuyama Masato、Sasaki Takashi、Ozaka Masato、Ueki Arisa、Sasahira Naoki
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 23 ページ: 1205~1205

    • DOI

      10.3390/ijms23031205

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Impact of the COVID-19 Pandemic on the Management and End-of-life Care of Unresectable Pancreatic Cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Kasuga Akiyoshi、Nojima Masanori、Okamoto Takeshi、Ishitsuka Takahiro、Yamada Manabu、Nakagawa Hiroki、Udagawa Shohei、Mori Chinatsu、Mie Takafumi、Furukawa Takaaki、Yamada Yuto、Takeda Tsuyoshi、Matsuyama Masato、Sasaki Takashi、Ozaka Masato、Sasahira Naoki
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 61 ページ: 3641~3649

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.0492-22

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 膵癌に対する実臨床におけるがん遺伝子パネル検査でのゲノム診療の現状2022

    • 著者名/発表者名
      春日 章良, 石塚 隆浩, 山田 学, 森 千奈津, 中川 皓貴, 山田 悠人, 古川 貴光, 三重 尭文, 武田 剛志, 岡本 武士, 松山 眞人, 佐々木 隆, 尾阪 将人, 笹平 直樹
    • 雑誌名

      胆と膵

      巻: 43巻 ページ: 573-578

  • [学会発表] 再発膵癌の治療成績と術前化学療法との関係2023

    • 著者名/発表者名
      春日章良
    • 学会等名
      第20回臨床腫瘍学会学術集会
  • [学会発表] 胆道癌におけるがん遺伝子パネル検査によるゲノム診療の現状2022

    • 著者名/発表者名
      春日章良
    • 学会等名
      第64回消化器病学会大会 JDDW2022

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公開日: 2023-12-25  

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