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膵胆道系腫瘍の確定診断における細胞・組織診では、検体不適正(insufficient material)と判定される場合が少なくない。その原因は、採取可能な細胞・組織量が少ないことに起因するが、微量検体における診断上の問題を克服するため、ごく少数の癌細胞のもつ遺伝子異常を高感度検出する「デジタル細胞・組織診」を提案する。
本研究では、微量核酸の絶対定量に威力を発揮するデジタルPCRを用いて、少量の細胞・ 組織検体でもドライバー遺伝子変異を迅速かつ確実に検出する系を確立する。実地臨床にお いて安価に運用可能なシステムを提供する具体的方法として、ナノ液滴へ腫瘍細胞由来の核酸を直接封入し、高速PCRによりKRAS変異をはじめとする遺伝子異常の絶対定量を試みる。
この系をマルチプレックス化することで、複数の遺伝子異常を同時検出できれば形態学に基づく画像・病理診断を補填し、がん診療に大きく貢献できる。
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