研究課題/領域番号 |
22K16034
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
平田 幸司 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (70875442)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 合成致死 |
研究実績の概要 |
胆道癌細胞株を用いて、引き続き、DNAメチル化阻害を用いたエピジェネティックな相同組み換え阻害による、新規治療法の探索を行っている。昨年度に引き続き、PAPR阻害剤に耐性を持つ胆道癌細胞株を用いて、DNAメチル化阻害剤を用い、細胞周期およびアポトーシスに与える影響を検討した。DNAメチル化阻害剤により、有意にG2/M期が増加した。それに伴い、PARP阻害剤単剤と比較して、DNAメチル化阻害剤を加えることにより、アポトーシスが有意に増加することをフローサイトメトリー確認した。 DNAメチル化酵素として、DNMT1、DNMT3a、DNMT3bの三種類があり、それぞれsiRNAを用いてノックダウンし、PAPR阻害剤に対する感受性を増加させるかどうかを検討した。まず、siRNAによるノックダウンの程度をqPCR法にて確認を行ったところ、それぞれ2種類のsiRNAで適切にノックダウンされていることを確認した。ノックダウンした細胞株において、ノックダウンしていない細胞と比較し、DNAメチル化阻害剤と同様に、相同組換えの頻度が減弱することを確認した。また、細胞周期の解析を行い、同様に、G2/M期が増加することを確認した。それにともない、DNAメチル化酵素をノックダウンすると、ノックダウンしていない細胞に比べて、有意にPARP阻害剤に対する感受性が増加することを確認した。さらに、ノックダウンした細胞にPAPR阻害剤を作用させると、有意にアポトーシスの割合が増加することをフローサイトメトリーで確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RNAシーケンシングの解析が遅れている
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今後の研究の推進方策 |
RNAシーケンシングの解析を行い、エピジェネティックな相同組換え抑制に関わる因子を明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
RNAシーケンスの条件設定に時間を要し、当初予定していたRNAシーケンシング、メチレーション解析を次年度のおこなうことになったため。
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