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2022 年度 実施状況報告書

光刺激による消化管蠕動制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K16052
研究機関大阪公立大学

研究代表者

小林 由美恵  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (90911610)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2024-03-31
キーワード光刺激 / 消化管蠕動機能 / 病態解明
研究実績の概要

・光刺激による消化管蠕動機能の解明を目的としている。
・方法は、ロペラミドを用いて便秘モデルマウスとする。ロペラミド5mg/kgもしくは生食をC57BL/6Jマウスに経口投与し、30分経過してから1時間あたりの排便量と個数を測定した。生食群と比べてロペラミド投与群で排便個数が有意に低下した。次に、ロペラミド5mg/kgを投与したマウスを遮光できる照射ボックスに入れ、そのまま遮光する群、バイオレットライトを照射する群、白色光を照射する群の3グループ(各群 n=6)とし、排便個数に差があるかを評価した。いずれの群間においても有意差は認めなかった。3日間連続して照射したが有意差は認めなかった。
・これより、バイオレットライトなど特定の波長が腸管蠕動に与える影響は、あったとしても光刺激の影響は強いものではないと思われた。よって、ロペラミドなどの薬剤の効果を打ち消すのは難しいと考えた。
・そのため、まずは光刺激とマウスの腸管蠕動に関して既報があったブルーライトを使用することとした。また腸管に影響が出やすいように、マウスの腹部を剃毛し、ケージの下からLEDテープライトを用いて光を照射した。
・1日目に、マウス(n=12)に白色光を照射し、1時間あたりの排便個数を測定した。2日目に、同マウスを遮光ボックスに3時間入れ、最後1時間の排便個数を測定した。3日目からは、同マウスにブルーライトを3時間照射し、最後1時間の排便個数を測定した。これを3日目から5日目にかけて連続で行った。白色光での排便個数と比較し, ブルーライト1日目、2日目では有意に排便個数が低下した。3日目では有意差を認めなかった。遮光時の排便個数とブルーライトでの排便個数を比較すると、1日目では排便個数が低下する傾向が見られたが、いずれも有意差はなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

便秘モデルマウスに光刺激を行い、排便個数をカウントして腸管蠕動への影響を調査している。どの波長の光刺激が腸管蠕動の改善に関係しているのかを順次検討している。

今後の研究の推進方策

・本研究では、白色光とブルーライトでマウスの排便個数に差が見られたが、白色光を照射する実験では照射ボックス内に入れて白色光を照射したのではなく、やや条件に差があった。
・遮光ボックス内で白色光を照射することを検討したが、LEDテープライトを使用する場合は、電球とは異なり、LEDテープライトの白色光の主成分はブルーライトであり、厳密には白色光ではない。
・そのため今後は、レッドライトなど他のライトを照射した群を、ブルーライト群と比較・検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19流行下において、当院での診療体制として、全診療科でCOVID-19診療を行う方針となっており、実験が制限されたため、動物実験を含めた実験を予定通りに進めることが出来なかったため。

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公開日: 2023-12-25  

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