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2023 年度 実施状況報告書

光刺激による消化管蠕動制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K16052
研究機関大阪公立大学

研究代表者

小林 由美恵  大阪公立大学, 大学院医学研究科, 後期臨床研究医 (90911610)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード光刺激 / 消化管蠕動機能 / 病態解明 / オプシン
研究実績の概要

実験1(背景)光受容体であるオプシンは視覚組織に発現するオプシン3以外に、消化管などの非視覚組織に発現するオプシン5が存在しており、概日リズムと代謝、体温調整に関係している。大腸の収縮はブルーライトの照射により弛緩することが知られており、大腸の蠕動を変化させる。(目的)異なる波長の光線が大腸の蠕動を変化させ、排便機能に影響するかを検討する。(方法)遮光ボックスに入ったマウスにブルーライトを照射し、大腸の蠕動の変化をマウスの排便個数・重量を測定することで評価する。ホワイトライトとブルーライトを交互に照射して、効果を比較した。(結果)ブルーライトを照射した方が排便の個数は有意に減少した。異なる波長の光線を照射されたマウスの大腸蠕動が変化することが示された。
実験2(背景)光受容体であるオプシンの活性化はレチノールを介して行われる。光照射により、シス型レチノールからトランス型レチノールへと変化し、オプシンが活性化される。特に9シス型レチノールは視覚組織のオプシン活性化の実験に用いられる。マウスの大腸にコリン作動薬のcarbacholを投与し、収縮した大腸に9シス型レチノールを投与する。そこにブルーライトを照射すると大腸が弛緩すると報告されている。(目的)9シス型レチノールとブルーライトが、収縮した大腸を弛緩させるか観察する。レチノールの濃度やブルーライトの照射回数に大腸の蠕動が影響されるか評価する。(方法)暗室でマウスの大腸にあらかじめレチノールを投与しておき、腸管筋電図で観察する。carbacholで大腸を収縮させ、ブルーライトを単回照射あるいは複数回照射する。次に高濃度レチノールを投与し、ブルーライトの照射にて大腸の弛緩速度を筋電図で評価する。(結果)レチノールとブルーライトにて大腸の弛緩速度に変化は見られない。
。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスの大腸に確実にブルーライトが照射するように、照射の時間や強さや、遮光ボックスの適切な設置の検討に時間を要した。またオプシン活性化のレチノールの最適な濃度についての検討に時間を要した。

今後の研究の推進方策

腸管のcarbachol投与による収縮反応は、テトロドトキシンで抑制される。マウスの腸管にテトロドトキシンの前投薬を追加し、腸管平滑筋の収縮反応の抑制効果、腸管の弛緩について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究に必要な試薬を購入予定である

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公開日: 2024-12-25  

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