研究の目的としては、従来の高周波カテーテルアブレーションで設定可能である能動的指標に受動的指標を加えた複合指標を活用し、より正確な焼灼巣サイズやSteam-popの発生予測を行う機械学習モデルを開発することである。つまり、焼灼中の様々なデータより機械学習によってAIを学習させて、学習した焼灼巣・steam-pop予測アルゴリズムを動物実験で評価することであった。 まずEx-vivoの実験下で、様々な設定と条件で焼灼実験を行い、焼灼巣形状と、焼灼中の能動的指標と受動的指標の双方の多数の変数の経時的変化との関係を機械学習させ、焼灼巣形状予測モデルと・steam-pop予測モデルを作成した(特願2023-119252;特願2023-110489)。このモデルは、従来使用されている一般的なパラメータと比較すると、焼灼形状をより正確に推定することが可能であることが証明された。これらのアルゴリズムは、ex-vivoのデータより計算されており、in-vivo実験でもその整合性を検証を開始した。生体実験においては、動物が実験途中に予期せぬ心室細動などで死亡してしまう場合もあり、予定されていた数の焼灼数が収集されていないが、Ex-vivo の実験結果に類似した結果が得られる可能性が高いと考えられる。今後、焼灼巣をさらに増加させ、生体実験系での予測アルゴリズムを完成させる。実験の過程で、得られた研究成果に関しては、学会発表、論文発表を行なっている。
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