動脈硬化を基礎とする心血管疾患のマーカーとして注目されているpentraxin 3(PTX3)は、近年、炎症マーカーとしてのみならず、液性自然免疫の構成因子として心血管疾患の病態形成に関与することがわかってきている。本研究では、ApoE・PTX3両欠損マウスの大動脈瘤組織を用いて、腹部大動脈瘤の形成・病勢進展におけるPTX3の役割を検討した。大動脈組織におけるMMP-2、MMP-9の活性化、酸化ストレスの増加に対するPTX3の関連が示唆された。大動脈瘤の形成に対するPTX3を介した自然免疫の関連が示唆され、引き続き検討が必要である。
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