我々は心不全ステージA・Bが疑われる患者における背景、臨床所見、併存症、検査所見の中で血清NT-proBNP濃度上昇に関連する因子について研究を行い、以下のことを明らかにした。 ①無症状の心不全ステージBが疑われる血清NT-proBNP≧125pg/mlを予測する因子として、BMI(body mass index)、年齢、SBP(systolic blood pressure)、eGFR(estimated glemerular filtration rate)、CTR(cardio thoracic ratio)、心疾患の6つの因子が同定された。 ②上記の6つの因子を用いて血清NT-proBNP≧125pg/mlを予測するスコアリング(BASE-CHスコア)を作成した(BMI <22 kg/m2:1点、70~79歳:1点、80歳以上:2点、SBP140~159mmHg:1点、160mmHg以上:2点、eGFR30~60mL/min/1.73m2:1点、30未満:4点、CTR50%以上:1点、心疾患:1点の合計11点満点)。 ③無症状ではあるが血清NT-proBNP≧125を満たす患者の約9割で心エコーによる構造的異常を認めた。
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