特定健診項目を用いた心不全早期診断アルゴリズムの開発

2023 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22K16081
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分53020:循環器内科学関連
• 研究機関: 奈良県立医科大学
• 研究代表者: 野木 一孝 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30867396)
• 研究期間 (年度): 2022-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 心不全 / 特定健診 / スコアリング

研究成果の概要

我々は心不全ステージA・Bが疑われる患者における背景、臨床所見、併存症、検査所見の中から血清NT-proBNP≧125pg/mlを予測するスコアリングとして、BASE-CHスコア(BMI(body mass index) <22 kg/m2：1点、70～79歳：1点、80歳以上：2点、SBP(systolic blood pressure)140～159mmHg：1点、160mmHg以上：2点、eGFR30～60mL/min/1.73m2：1点、30未満：4点、CTR(cardio thoracic ratio)50％以上：1点、心疾患：1点の合計11点満点)を作成した。

自由記述の分野

心不全

研究成果の学術的意義や社会的意義

日本や欧米の心不全ガイドラインでは、心不全を疑った場合に血清NTproBNP濃度を測定することが推奨されている。しかし、無症状である心不全ステージA・B患者を疑うことは、循環器非専門医にとって大変難しく、どのような患者に血清NTproBNP濃度を測定すべきかどうかについての明確な基準はこれまでなかった。今回の研究で作成したBASE-CHスコアを無症状の患者に用いることで、心不全診断のカットオフとされている血清NT-proBNP濃度125pg/ml以上の患者を効率よく抽出できることは、将来的な国民の健康のためだけでなく、医療費の面からも大変重要であると考えられる。