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2022 年度 実施状況報告書

冠攣縮性狭心症に対する世界初のゲノムワイド関連解析による遺伝要因の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22K16090
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

黒澤 亮  国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (40836384)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード冠攣縮性狭心症 / ゲノムワイド関連解析
研究実績の概要

本研究は、世界で初めての冠攣縮性狭心症に対するゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施することを目的とした。虚血性心疾患へのGWASは多く行われているが、冠攣縮性狭心症に対するGWASは未だ少人数でのゲノム解析しかおこなわれていないのが現状である。しかし、冠攣縮性狭心症は致死性の合併症を起こしうる疾患で特に日本人を含めたアジア人での発症率が高いことが報告されており、その機序解明が望まれている。そこで我々は昨年より、バイオバンクジャパン(BBJ)内の20万人のサンプルにおいて冠攣縮性狭心症患者の検索をおこない、数千人規模の患者群特定に至った。さらにBBJ内にて患者群対コントロール群でのGWASをおこなうため、疾患サンプル群の疾患情報の精査とゲノム情報のクオリティーコントロールを入念におこない、GWASにおける疾患サンプル群の定義とゲノム情報の正確さの向上に努めた。その後、BBJ内の数千人の全ゲノムシークエンス情報によりインピュテーションを行いゲノムの解像度を向上した20万人のゲノムデータを用いてBBJ内にてGWASをおこなったところ、冠攣縮性狭心症の疾患関連座位を世界で初めてゲノムワイドに特定することに成功した。さらにその遺伝子座が効果をもつ遺伝子を推測し、虚血性心疾患や他の動脈硬化性疾患への関連性を遺伝的に解析した。また、疾患関連座位の疾患への効果について多面的に考察するため、年齢や性別での違い、dominant effectなどを解析した。現在、これらの内容をまとめ論文投稿への準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画された研究を概ね全て、順調に進められているため。

今後の研究の推進方策

引き続き、ゲノムワイド関連解析後のダウンストリーム解析や他疾患との関連性、臨床的意義について解析を進める。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由としては、参加を予定していた学会がオンライン開催となり旅費の執行がなくなったこと、本年度は研究室のコンピュータや解析機器の故障や購入がなく、必要な経費が少なく済んだことが挙げられる。しかし、経年劣化の影響もあり、時間が経って故障や修理を要する測定機器が多く、予定外の研究費支出が多い。従って 、故障などの事態に備え研究費は次年度に持ち越すこととした。また、現在はゲノム解析の結果を確認するための細胞実験を実施する段階ではないが、次年度以降の実施のためにも持ち越すこととした。

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公開日: 2023-12-25  

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