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2022 年度 実施状況報告書

心房性機能性僧帽弁閉鎖不全症に対する包括的な非薬物治療戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 22K16095
研究機関筑波大学

研究代表者

町野 智子  筑波大学, 医学医療系, 講師 (20755673)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード心房性機能性MR
研究実績の概要

心房細動は加齢とともに発症頻度が上昇する不整脈である。心房細動が長期に持続することで左房や僧帽弁輪が拡大し,有意な僧帽弁閉鎖不全症(MR)が生じることがあり,このような病態は「心房性機能性MR」と呼ばれ,新しい疾患概念として注目されている。社会の高齢化による心房細動の増加を背景に,心房性機能性MRの症例も増加しており,その治療に関するエビデンスの構築は喫緊の課題である。薬物治療下でも有意な心房性機能性MRを有する症例では,心房細動カテーテルアブレーションや外科的僧帽弁手術が重要な選択肢となる。巨大左房症例で生じる心房性MRは,後尖の短縮から僧帽弁の接合が不良になるため,自己心膜による後尖パッチ拡大が有効である。しかし,補填する自己心膜パッチのサイズやグルタルアルデヒドでの心膜処理時間,用いる人工リングサイズ,それらが影響する術後の弁機能との関連については,十分な知見がなく検証すべき課題である。
我々は,重症心房性機能性MRに対する後尖パッチ拡大を用いた僧帽弁形成術の有効性・安全性について,特定臨床研究として心臓血管外科グループと共同で研究を進めている。術後の運動負荷エコー,経食道エコーなども含めた詳細な観察により,本治療が術後遠隔期の僧帽弁機能や心不全に与える影響について解析を進めている。
また,カテーテルアブレーションを施行された症例における心房性MRの変化についても,後ろ向きにデータベースを構築し,解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の影響,またカテーテル僧帽弁クリップ手術の普及により,外科手術を受ける重症心房性機能性MRの症例が,想定よりも集まりにくい状況である。しかし,登録症例においては術後観察期間のドロップアウトなく,順調に経時的な記録を行うことができている。
カテーテルアブレーション施行症例は,後ろ向きに約700例の心エコー・臨床データの登録が終了した。

今後の研究の推進方策

さらに症例登録を続けるとともに,登録患者の心エコー図解析,予後調査を継続していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス流行により,学術集会がオンライン参加となり旅費の未使用が生じた。次年度は,海外学会参加の旅費や,論文作成時の文献整理ソフト,英文校正,論文投稿費に予算を使用する予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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