本研究では血管傷害後のストレス応答機構として血管周囲に集積する抗炎症性マクロファージが血管周囲脂肪の褐色化を誘導していることを明らかにした。さらに、血管傷害として急性大動脈解離に注目し、ヒトおよびマウスモデルでの研究を進めた。大動脈解離では、ストレス応答機構の一環として、解離した血管周囲組織に抗炎症性マクロファージが顕著に集積することをマウスモデルに加えて、ヒト病理検体を用いて示すことができた。さらに、急性大動脈解離で血管周囲炎症のマーカーとして知られている血管周囲脂肪減衰指数が有意に上昇しており、大動脈解離診断の新規バイオマーカーとして機能する可能性を示すことが出来た。
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