研究課題
若手研究
本研究では、スクリーニング用の深層学習モデルとして異常検知モデルを構築した。モデルには変分オートエンコーダ(VAE)を用い、また12誘導心電図を入力できるように対応した。小児検診データを基に正常データのみを学習し、一次検診で異常とされた症例に対して異常検知モデルの性能を評価したところ、AUC-ROC 0.996であった。実際の小児心疾患患者(肥大型心筋症、QT延長症候群)に対しても検証を行い、肥大型心筋症ではAUC-ROC 0.980、QT延長症候群ではAUC-ROC 0.932となった。
データサイエンス
本研究の学術的意義は、深層学習を用いた異常検知モデルが小児心疾患の早期発見に有効であることを示した点にある。特に、稀な疾患である肥大型心筋症やQT延長症候群に対して高い検出性能を示したことは、今後の臨床応用の可能性を示している。また、社会的意義としては、学校検診での心疾患の早期発見・早期治療が可能となり、児童の健康管理の向上に寄与する点が挙げられる。