研究課題
本研究ではヒストンの同一修飾部位における翻訳後修飾の違い(アセチル化、クロトニル化など)に着目し、ヒストンの同一修飾部位における翻訳後修飾と心不全関連遺伝子発現との関連性を解明して、心不全発症の新規治療標的の開発に繋がる基盤を構築を目指している。既に培養細胞及び大動脈縮窄術(TAC)誘導性の心肥大期における検討し、ヒストンの翻訳後修飾が変化することを見出している。そのため、次にコントロール群として偽手術(Sham)を行ったマウス、TACにより心不全を発症したマウスを用いてヒストンの翻訳後修飾について検討した。TACの8週間後にサクリファイスを行い、心エコーなどにより心機能を確認した。コントロール群と比較してTAC群でヒストンのH3K9並びにH3K27のアセチル化並びにクロトニル化が増加していた。さらに、新規2型糖尿病性心筋症モデルを作成を行い、別の心機能が低下した状態においてもヒストンの翻訳後修飾が変化するかどうか検討した。同様の検討を行った結果、2型糖尿病性心筋症モデルにおいても心機能低下時にヒストンのアセチル化及びクロトニル化が増加していた。
2: おおむね順調に進展している
円安及び物価高の影響で研究計画に含まれているChIP-seqが実施できていないため、どの遺伝子領域でこれらのヒストンの翻訳後修飾が変化しているのか検討できていない。一方で、論文投稿や学会発表などの業績は上げられている。以上のことから、おおむね順調に進展していると評価した。
円安及び物価高のため解析手法を変えて検討を行う。TAC誘導性の心不全モデルに加えて2型糖尿病性心筋症モデルを用いて心不全におけるエピジェネティックな転写制御機構の解明を行う。状況に応じてRNA-seqをマイクロアレイ、ChIP-seqをChIPアッセイに変更して検討する。網羅的な解析から標的を絞った検討に変更することを考慮している。初代培養細胞播種の費用が高騰していることから、H9c2細胞の使用やマウスを用いた検討の比率を上げ、引き続き検討していく。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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