研究課題/領域番号 |
22K16144
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
三浦 俊輔 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90814442)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヘルパーT細胞 / 圧負荷心不全 / ヘキソキナーゼ / ミトコンドリア |
研究実績の概要 |
本研究は、T細胞のHexokinase1 (HK1)をミトコンドリアから脱結合させることが抗炎症作用を介して圧負荷心不全の進展を抑制するという仮説を検証するものである。 ノコダゾールの投与は、HK1のミトコンドリアからの脱結合を起こし、Interferon-γ産生を抑制することは確認した。 大動脈縮窄圧負荷(TAC)による心不全モデルのマウスを用いて、T細胞のHK1解離が心不全抑制つながるかを明らかにするための実験を継続中である。T細胞特異的にHK1のミトコンドリア結合ドメインを欠損させたマウス(T細胞特異的HK1 exon1 deletion マウス)を作成することに難渋している。そのため、野生型マウスから単離したT細胞にレンチウィルスを用いてvdac1-based peptideを過剰発現させることで、HK1がミトコンドリアに結合しないT細胞を作成し、TACを施行されたRag1ノックアウトマウスに移植し、心機能評価を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
T細胞特異的にHK1のミトコンドリア結合ドメインを欠損させたマウス(T細胞特異的HK1 exon1 deletion マウス)を作成することに難渋している。
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今後の研究の推進方策 |
T細胞特異的HK1 exon1 deletionマウスの作成が難しい場合は、野生型マウスから単離したCD4T細胞のHK1を薬物的に脱結合させ、TACを施行したRag1 KOマウスに移植し、心機能を評価しようと考えている。そのために、まず圧負荷心不全におけるCD4T細胞の増加が心筋のどの抗原に対して増加するのかを明らかにし、抗原特異的なT細胞を作成する予定である。更にレンチウィルスを用いて、HK1のVDACへの結合部位を含むペプチドを過剰発現させ、HK1がVDAC1に結合できにくい抗原特異的T細胞を作成し、HK1 exon1 deletionマウス由来T細胞の代わりに使用しようと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
ミトコンドリア機能評価を行うための細胞外フラックスアナライザー関連物品に経費を要する。 CD4T細胞からHK1が脱結合することにより、CD4T細胞や心筋の代謝が変化するか評価する予定である。
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